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市場の飽和と戦うコンビニエンスストア

試練を越えてアジアのフロンティアを切り開け!

  • 小屋 知幸

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2010年10月19日(火)

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足元の業績は順調、しかし・・・

 コンビニエンスストア大手各社の中間決算が出そろった。コンビニ大手3社(セブンイレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート)の2010年8月期の業績は、3社ともに増益となった。記録的猛暑の影響で夏期の売り上げが好調だったほか、新興国の成長に伴い海外事業の業績も改善した。

 足元の9月の営業も好調である。コンビニ各社の9月の既存店売上高は、前年比同月10%前後の増加となった。たばこ税の増税を控え、タバコの買いため特需が発生したことが、大きく影響した。

 しかしながら、コンビニ業界の経営状況は決して順風満帆とは言えない。近年のコンビニ各社の業績はタバコや天候によって大きく左右されており、事業の実力が見えにくくなっている。例えば2008年のtaspo(成人識別ICカード)の導入により、コンビニ業界は多いに潤った。taspoの煩わしさを嫌った喫煙者が自動販売機を避け、コンビニでタバコを購入するようになったのだ。タバコの販売だけでなく、来店時のついで買いが増えたことで、他の商品の売り上げも大きく伸びた。しかしtaspo効果には一過性の部分も多い。2009年以降はその反動減により、コンビニ業界の売上高は減少基調に転じた。

 またコンビニ業界の業績は、天候にも大きな影響を受ける。2008年はtaspo効果だけでなく、猛暑の恩恵も受けて、コンビニ各社は大幅に売り上げを伸ばした。いっぽう2009年の夏季需要は低調だったものの、2010年夏には再び猛暑効果があり、taspo効果の反動で苦戦していたコンビニ業界も一息つくことができた。

 そして試練の秋

 やがて秋が深まるにつれ、個人消費の失速懸念が高まってきた。自動車業界ではエコカー減税の打ち切りにより、新車販売台数が大幅に落ち込む見通しだ。また今のところ販売好調の家電業界でも、エコポイントによる需要底支え効果の息切れが予想される。ユニクロなどアパレル業界では、秋物商品の立ち上がりが不調で9月の売り上げが大幅に前年を下回った。

 そしてコンビニ業界でもこの10月の売上高は、前年同月比大幅減となる見通しである。今夏以降のコンビニ各社の業績が、猛暑とタバコ特需に支えられていたことを考慮すると、この両者が剥落する10月以降の見通しは相当に厳しいと言わざるを得ない。さらに今後は消費マインド悪化の影響が、追い打ちをかける可能性が高い。

 よってコンビニ業界は、試練の秋を迎えていると言うことができよう。

コンビニ市場は飽和化したのか

 日本の小売市場が衰退に向かうトレンドの中で、今までコンビニエンスストアはなんとか成長を保ってきた。しかし近年は新規出店の余地も乏しくなり、店舗間の競合も厳しくなっている。コンビニ業界では長年、「コンビニの出店は4万店が限界」とするとらえ方が主流だった。コンビニ業界の総店舗数は、すでに4万3000店に達している。このため「コンビニ市場は飽和化した」との見方は、業界のコンセンサスになりつつある。

 確かに現状のビジネスモデルを前提とした場合、コンビニエンスストアビジネスに成長余地が乏しいことは間違いない。百貨店やスーパーの過去の事例を見ても、市場に店舗が行き渡った段階で業態としての成長は止まった。だが「市場飽和化」だけが、百貨店・スーパーの業績停滞の原因とは言い切れない。百貨店やスーパーは、ビジネスとして過去の成功モデルを踏襲するのみで、自らの業態を革新することがほとんどなかった。つまり百貨店・スーパーには、「市場飽和化」に抗うためのイノベーション力が乏しかったと見ることができる。

 これに対してコンビニエンスストアには、絶えざる進化を成し遂げてきた経緯がある。創業当時のコンビニは、単に24時間開いている便利な店にすぎなかった。だがその後のコンビニはPOSシステムによる商品管理の高度化、ロジスティックスの高度化によるJIS(ジャスト・インタイム・システム)の実現、弁当などの商品開発による顧客ニーズへの対応、公共料金やチケットの取り扱いなどサービスメニューの拡大による便利さの向上などを次々と実現させていった。

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