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資本金を出資してもらうということ

投資の5つの狙い

  • 斉藤 由多加

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2010年10月21日(木)

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 さて、独立して自分で起業するぞ、となったときにぶつかる最初の大きな壁が「資本金」という謎のお金である。

 会社を起こすにはある程度まとまった金が必要だ、というところまでは分かっていても、そもそも資本金ってのはそこでどういう役割を果たすものなんだ?というところが、創業しはじめの人間にはよく分からない。

 ちょっと前のベンチャー起業ブームで「第三者割り当てでしこたまカネを集める」という手法がとてもカッコいい技法に思えた。けれど、じゃこの資本金ってのは創業時に「出してもらったらラッキー」なのか、「自分で出した方がいい」のか、釈然としない選択肢。

 ちょっと前に新法律で有限会社という存在が消滅したが、それまでは株式会社をつくるには最低1000万円という謎のしばりがあって、それ以下だと有限会社という、なんとなく「格下っぽい法人」しか設立できない事実…。

 今回は前編と後編の2回に分けて、そういう「資本金」というよく分からないお金について話します。

資本金に勘定されない社長自身の価値

 初めての決算申告をするときに「バランスシート」というものを申告書に添付することになる。このバランスシートには会社の資産(や負債)がすべて数値化され記載されているわけで、スタート時には現金だった資本金が別のものに形を変えてそこには記載されることになる。しかし、そこに載っているものが会社の財産のすべてか、というと、そうではない。そこには「社長自身」という価値が載っていないからである。

 はっきりいって、自分で独立し何かを創業するとなったら、この「社長自身」が会社の最大の価値というケースが多い。。

 もしみなさんに大した資本金がなくてもジョージ・ルーカスのように特異な才能があれば、出資する資本金の多寡だけで会社の価値を案分するのはいかがなものか、という状況が生まれることになる。

 しかし逆にもし、社長がただの無価値なアホで、従業員のがんばりだけで成功したならば、それはそれで(才能を見極めて権限委譲したという点で)すご腕の社長ということになる…これについては後日また触れますが。

 ま、つまりどう転んでも会社が伸びるか否かは社長次第、となるわけです。この価値の中心である「創業社長」が、取りあえず創業して事業を軌道に乗せるためには、いったいいくらの金――「当面の人件費(自分も含めて)」や「家賃」や「パソコン代」や「仕入れ」やその他の環境をそろえるために――必要か? その腕を振るうために必要な金がこの「創業の資本金」ということになる。

 話は戻りますが、実績のない零細企業に「君に惚れたよ。出資させてくれ」という人が現れるとうれしいものです。創業するこちらとしても、金は少し多めに持っていたいし、という欲望からついつい受け入れてしまうケースがある。確かに資本金って「返さなくていいお金」なんて表現があるくらいだし、と。

 でも、あなたがジョージ・ルーカスタイプであれば、自分の才能が最大の価値であり、そしてそれが牽引力だから、大した資本金など不要ということになる。だとしたら、自分の価値が反映されない時期から、むやみに第三者の出資などを仰がないほうがよいことになるわけです。仰ぐならば、自分の価値がバランスシートに、十分反映されてからのほうがいいよ、ということになるのです。

 だが、出店費用や製造を伴う、高額の仕入れがある、大量雇用が必要となる、など、物量が伴う事業の場合、これは、第三者からの資本を仰いででも時間を稼ぐことが有効ということになる。ただし、ルーカスさんほどではないにせよ、成功のカギがここでも実は社長の資質だった、としたら、株式比率に気をつけなければならない。なんでもかんでも出資してもらえばいいというわけではないことになる。

 「たとえ1000円でも他人は出した金の事を覚えている」という鉄則があるわけです。金としては返さなくていいが、代表役員であるあなた込みで分割所有されることになる。だから、明確な事業計画がある場合はもちろん別ですが、自分の体ひとつで回していく個人経営のケースはですね、出資なんて絶対にしてもらってはいけないのであります。

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