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第16回 情報があっても元気にならない会社の5つの落とし穴

情報はコントロールできない、ただ共有するのみ

  • 武田 斉紀

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2010年10月25日(月)

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もはや情報はコントロールできない、共有するのみ

 内部告発が日常的なニュースとして取り上げられるようになった。

 内部告発者を保護する法律(公益通報者保護法、2006年4月施行)が整備された影響も少なくないだろうが、私はむしろネット社会の到来で国民の誰もが“発信者”になれたことの方が大きいと思う。

 ネット社会になる前は、この法律があったとしても、上司や会社に通報すると組織の利益を優先されて、世の中に出る前にもみ消されるリスクが高かった。通報した本人は裏切り者として冷や飯を食わされるか、最悪濡れ衣を着せられる可能性まであった。

 たとえマスコミに直接一報が入っても、数少ない“発信者(メディア)”としての立場や、さまざまな圧力を避けきれず、慎重にならざるを得なかったこともあるだろう。勇気ある告発を書けなかった過去を悔やんでいるマスコミ人も、それなりにいるに違いない。

 だが時代は変わった。警察とともに日本で最も信頼されるべき検察の上部で発覚した不祥事。起訴内容が証明されれば、大阪地検では(あるいはもっと広い範囲で)改ざんの事実は隠ぺいされてきたことになる。監視する側の頂点にあって、外部の目にはさらされにくい検察でさえ、内部告発を無視できなくなってきたのだ。おまけにこれまで取り調べの完全可視化に難色を示してきた幹部が、自分たちが起訴されるとなると、賛成どころか積極的に求めている現状。秘密の場所はなくなり、すべての情報が外に開かれようとしている。

 「ネット社会の到来で国民の誰もが“発信者”になれたこと」で、自らの存在意義を再確認したマスコミも、一定の信ぴょう性さえあれば告発を取り上げるようになってきた。こうなると、情報は誰にもコントロールできなくなったと言っていいだろう。

 情報の窓は世界に開かれてしまった。たとえば中国においては、いくらネット上で情報をコントロールしようが、“小道消息(口コミ)”によって劉暁波(リュウ・シャオボー)氏のノーベル平和賞受賞は全土に伝わっているという(日経ビジネスオンラインのコラム「中国人はどうしてノーベル賞を取れないのか」)。

 1989年の「インターネットも携帯電話も普及していない当時であっても、ダライラマ(氏によるノーベル平和賞)受賞のニュースは“小道消息”を通じて全土に流布した」そうだ。事実ならば中国の“小道消息”恐るべしと言わざるを得ないが、ネット社会が多様化する現在、ますます情報をコントロールしきれなくなっているのではないか。

 当局は、国民が携帯電話のツイッターで、人々がRT(リツイート)した無数の経路をすべてたどって、その全員を罰することなどできないのではないか。いや、この国の体制を守るためにはそこまでやるつもりなのかもしれない。情報をコントロールしようとする国は、早晩瓦解するのではないか。北朝鮮はどうだろうか。

 制限の方向ではなく、極限にまで情報収集することで人をコントロールしようとする世界もある。第二次世界大戦時下のナチス・ドイツの秘密警察ゲシュタポや、治安維持法下の日本の特高(とっこう、特別高等警察)がそうだ。中国と北朝鮮の現実もそうかもしれない。最先端のテクノロジーを駆使しているという面では、1998年に米国で製作されたサスペンスアクション映画『エネミー・オブ・アメリカ』(トニー・スコット監督)を思い出す。

 国防総省の諜報機関、国家安全保障局(NSA)が個人のプライバシーさえ無視した情報収集を正当化するために、偶然内部情報を入手した主人公である弁護士ディーン(ウィル・スミス)を抹殺しようとするストーリーだ。国家による宇宙衛星と国内各所に張り巡らせたビデオカメラを駆使した24時間の監視。主人公とその協力者ブリル(ジーン・ハックマン)は、これらの情報を逆に利用して難を逃れていく。

 制限したとしても、過度に収集したとしても、もはや意図的に「情報はコントロールできない」時代になりつつある。話が大きくなり過ぎたが、私たちが働く日常において、情報はどう扱えばいいのだろう。

 私の答えは、「1.情報はコントロールできない、共有するのみ」だ。コラムタイトル「情報があっても元気にならない会社の5つの落とし穴」の1つ目に当たる。組織の全員で情報を共有することで何が生まれるか。情報を共有することのメリットについては、以降で掘り下げていきたい。

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