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資本金を出資してもらうということ(後編)

公開していい企業、いけない企業。

  • 斉藤 由多加

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2010年10月28日(木)

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 前回から続く

 株式公開を目標にして、ぎりぎりの状態の会社を切ったり貼ったりしているベンチャー経営者がいる。

 株式公開というのは、資金調達の方法という意味では事業拡大の通過点に過ぎないのに、「ゴール」として考えてしまう人が少なくないのは、株主である創業者が巨大な利益(キャピタルゲイン)を手にするという事実が大きなモチベーションになっているからからだろう。彼らの中には、公開した後はできるだけ速やかに後継者を見つけて会社をフェイドアウトしたい、と思っている人も実際のところ少なくない。

 言い方は悪いけれど、これは明らかに「勝ち逃げ」のパターンだ。こういう会社は、公開直後の株価を最高値として後あとは低迷するのみ。この会社の将来に期待して株を買った一般投資家がバカを見るという結果となることも少なくない。いくら「株価は景気で変わるので自己リスクで」と言ったところで、公開時に業績のピークをもってくる「上げ底公開」が多くなると株式投資そのものの信用力が落ちてくることになる。

 言うまでもなく公開にはたくさんの基準があって、業績がどんなに良くたってその基準をクリアしないと公開できない。その準備にかかる会社のマネジメントの負担が大きすぎる、とさえ言われる。それでも公開したいと経営者たちが思う理由の一つに、公開で得られる所得の税率が所得税に比べて圧倒的に低い(10%)という事実がある。

 正直僕は株式公開を自分でしたことがないので、公開準備の苦労の度合いは知人経営者たちからの見聞の範囲にすぎない。だが、社長をはじめ社内外関係者の負荷と費用は事業を圧迫するほど、とはよく聞く話だ。

 この状況、言い換えると、公開基準をクリアするテクニックってのが生まれてくるわけ。公開ブームで、本業の業績がいまひとつでも、たくさんのテクニックを駆使した合わせ技で公開する企業なんてのもちらほら聞きます。

公開すべき事業とすべきでない事業

 かつては日経BPさんからベンチャー・オブ・ザ・イヤー(若手経営者部門)というたいした賞をいただいたことがある僕ですが、自分の経営する(ゲームの)会社を公開させようと思った事は一度としてないのです。その理由は、「うちの会社は公開してはならない業態だから」という僕なりのポリシーによるものでして、もしかしたら僕がいまだに消えずにいられるのはこのポリシーのおかげではないかと最近思っている。「根性が無い証拠だ」と言われかもしれないが、その考え方に至る経緯を少しお話ししましょう。

 公開してはならない会社というのは、例えば、(前回から頻出してますけど)ルーカスフィルムのような会社のことです。言い換えるとジョージ・ルーカスという天才一人に依存している事業。どんなにヒットを世に送り出そうが、利益率が高かろうが、ルーカスさんが死んだら会社も株価も終わり。こういう会社がひとたび公開したとたん、右肩上がりの成長を維持しなければならない状況が待っているわけ。そのためにスターウォーズの新作を毎年制作して公開しなければならず、そんなことを続けていてもスタッフは息切れするだけだし、観客たちもやがて「そんな手抜きのスターウォーズなんて見たくないよ」と離れてゆく。ルーカスさんも、増益を目指して無理するわけで、健全な事業継続なんかできそうもない。

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