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ビジネスもスポーツも「くったくた」になるまで

玉塚 元一 リヴァンプ代表パートナー

  • 増田 晶文

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2010年11月5日(金)

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 実業界のトップアスリート――玉塚元一を語る時、彼の華麗で剛毅なスポーツ経験やトレーニングにまつわるエピソードが必須条件のようについてまわる。

 しかもスポーツとビジネスには、達成感、勝利と敗北、向上心、チャレンジ、戦略に戦術、キャプテンシー、チームワーク・・・いくつもの共通項が多い。玉塚というパーソナリティのブランディングとまでは言わぬまでも、彼のイメージ醸成にスポーツはことのほか寄与しているはずだ。

 とりわけ玉塚の、「慶應義塾大のラグビー部に在籍し、3年生からフランカーとしてレギュラーの座を射止め、4年生で大学選手権準優勝」という一節は外せない。そんな彼が企業トップになってからトライアスロンに親しみ、好成績を上げている。

 リヴァンプ(東京都港区)の代表パートナーである玉塚元一は、取材当日も多忙を極めていた。彼がトップを務めるリヴァンプは、「刷新」を意味している。企業経営支援コンサルティング、ことに経営陣派遣に代表される企業再生ビジネスの中枢で、玉塚がジャッジを下さねばならない案件は数多い。

玉塚 元一(たまつか・げんいち)
リヴァンプ代表パートナー。1962年5月、東京都生まれ。85年3月に慶應義塾大学法学部卒業後、旭硝子に入社。97年12月に米ケースウェスタンリザーブ大学経営学修士課程修了、98年8月に米サンダーバード大学大学院国際経営学修士課程修了。日本IBMを経て、98年12月に衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングに入社。2002年11月、社長に就任。2005年8月、退職。2005年9月から現職。

 玉塚は、約束の時間ギリギリまで会議に出席していた。

 慌しく現れた彼は、取材趣旨を聞くと何度か小さくうなずいた。その様子が私には、<今日もスポーツの話題か、よし分かった>と語っているように見えた。

 「青春時代はヘビーなスポーツ一色でした。そのトレーニングが肉体に染みついているんだろうね。今でも1週間も運動をせず、心拍数が上がらないままだと気分が悪くなってくる。だから、なるべく週に2~3回は身体を動かすようにしています」

身体を苛め抜いた学生時代

 肉体鍛錬は苦しさと快感の微妙な狭間を揺れ動く。だが、苦闘の一線や限界を突破した時、強烈な達成感をもたらせてくれる。玉塚ならずとも、スポーツ体験者ならこの感覚は大いにうなずけるはずだ。

 「くったくたになるまで身体をいじめなきゃ、満足できないんです。そうやって、ようやく筋肉や関節だけでなく、気持ちまでがスカッとする」

 くったくたになるまで――玉塚らしい、いい表現ではないか。思いっきり肉体を動かすことで、アドレナリンとドーパミンが身体を駆け巡り、心を高揚させ、心拍数を上げ、筋肉は肥大していく。やがて、じんわりとした疲労が襲ってきて成長ホルモンの分泌を実感させる。

 だが、残念なことに、この快感は簡単に手に入らない。私もウエイトトレーニング歴25年になるけれど、玉塚の言う「くったくた」になれるのは、年に数回くらいだ。その日の体調、精神状態、栄養摂取、静養の具合、運動する環境が整わないと、「くったくた」になんか、なれやしない。

 余談が続くが――玉塚の送った慶應義塾大学ラグビー部時代の日々は本当に凄まじい。

 「慶大ラグビー部の伝統として、猛練習は当然のこと。体力や技術を習得するのはもちろんのこと、根性を育成するための修行みたいなもんですよ。特に山中湖での合宿なんて、毎日ボロ切れのようになっていた」

 部員たちは極限まで走り込み、激しく当たり、行方の分からぬ楕円のボールをとことん追いかける。練習場から聞えてくるのはコーチの怒鳴り声と選手のすすり泣く声――。

 玉塚は合宿の時、ベッドの上に白い四角のマスを合宿の日数分だけ書いて貼り出していた。

 「1日が終わったら、それを黒く塗りつぶす。白い紙が黒くなっていくことだけが、僕を救ってくれたんです」

 しかし、あくる朝には、また真っ白な1日が始まる・・・だが、彼はこうも言う。

 「練習中に何度、気を失ったか、分からない・・・でも、そこまで身体を苛め抜くと、肉体ばかりかメンタル面でもキャパがぐ~~っと広がる。金輪際、そうだな、何億円を積まれたとしても、もう二度とあの合宿には戻りたくないけれど、あの経験が僕に与えてくれたものは現在も大きな財産になっていますよ」

「なぜ経営者は泳ぎ、漕ぎ、走るのか」のバックナンバー

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