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龍馬の「海援隊」を知れば、ブランディングが理解できます

2010年11月2日(火)

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 いよいよ、龍馬暗殺という大詰めに向かっているNHK放送の「龍馬伝」。さびしいなあ、という方も多いでしょう。そこで終わる前に、龍馬からもう1つの“学び”を。ブランディングです。

 龍馬とブランディング。何だか妙な組み合わせですが、ご存知、亀山社中がつくった海援隊こそがブランディングそのものでした。

 江戸時代で武士の集団といえば、高杉晋作の奇兵隊、近藤勇の新撰組に代表されるように、ほとんどが戦闘集団。武士と庶民の混成部隊や、浪人で構成された治安部隊という違いは存在しましたが、基本的には戦うためにつくられたもの。それ以外の概念は、まったく頭にも浮かばなかったというのが当たり前のことでした。

 ですから、龍馬の海援隊という集団はかなり奇異なものとして映ったに違いありません。でも逆の見方をすれば、非常に個性的な集団。まったく新しいブランドの登場と捉えれば、海援隊の在りようが分かりやすくなります。

 では、海援隊をブランドとして分解してみましょう。

海援隊をブランドとして分解

 まず何よりそのネーミング。これは天才的な仕業です。音の響き、そして意味合い。いまでも匹敵するネーミングはなかなか思いつきませんね。

 そしてそこに、ブランドスローガン。なんと海援隊約規には「うみよりたすけやつき」というルビがふってあったのです。海から日本を助けるという意味のブランドビジョンを誰にでもわかりやすく示して、海援隊の目指す先を開示しました。

 それからブランドのロゴマーク。白地に赤の二本線ですが、どこかの国旗のように洗練されたデザインです。龍馬を尊敬するソフトバンク社長の孫さんは、これをモチーフにして、ロゴマークをつくったことはよく知られています。

 また「海援隊約規」は、コーポレートバリュー・ステートメントと解釈すれば理解しやすい。経営方針、社長の権限、社員の義務、給与など、企業にとって必要なことが網羅されています。

 ブランドのオーナーである龍馬が、海援隊をどう運営し、そのブランドをどう社会に根付かせるかの、ビジョンやゴールがすっきりとシンプルに書かれているのです。

 これだけ明快に会社経営とブランドビジョンが示されている例は、いまでもそう多くありません。それだけ、海援隊ブランドのオーナーである龍馬の頭の中が、一点の曇りなく整理されていたのでしょう。だからこそ、ブランディングの基本要素がキチンとしていたのです。

ブランド運営者としてはどうか

 次に、この海援隊というブランドを運営していく人たちを見てみましょう。もともとは、各藩の脱藩浪士の雑多な集まり。しかし、彼らは勝海舟の海軍操練所で様々な訓練を受けて異能集団となった。龍馬は、さらに商人などの民間人も加え、彼らを文官、武官、器械官、測量官、運用官、簿籌官、医官等に配置して、それぞれの能力が発揮しやすい役割を与えたのです。

 語学の才能のある者、航海術や算術の得意な者など、まさに多彩な顔ぶれ。いまで言う、マルチナショナルな会社組織です。国籍に関係なく、その分野で秀でた者を雇う主義。

 龍馬は、藩の言うことを聞く武士だけを登用するのではなく、違った能力をもった武士たちなどを使うことで、新しい考えの集団つまり新しいブランドを生みだそうとしたのです。

 全く新しいブランドをつくるためには、新しい組織と人材が不可欠なのを知っていたかのようで、驚きです。

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「龍馬の「海援隊」を知れば、ブランディングが理解できます」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官