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地方都市の商圏拡大に効果を持つ「B級ご当地グルメ」

2010年11月8日(月)

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 前回(「日常の“当たり前”に巨大市場を見出した『B級ご当地グルメ』」では、大きな話題となっているB級ご当地グルメとは、大衆的で安く、地域の日常生活の中で長く食べられ続けている料理のことで、ミシュランガイドや全国ブランドとなっている郷土料理と大きく異なることを紹介した。

 今回は、多くの人を惹きつけ、商圏を全国規模に広げ、その土地へ全国から多くの人を集客し、そこでこのB級ご当地グルメを食べてもらうことで、町おこしを目指す取り組みを紹介する。

料理は「B級」でも、取り組みは「ハイ・サービス」

 あまり知られていないが、今回のコラムで紹介する八戸せんべい汁研究所(青森県八戸市)と、富士宮やきそば学会(静岡県富士宮市)は、第2回(「顧客満足と業務効率化、二兎追うものは二兎を得る!」)で紹介したサービス産業生産性協議会(公益財団法人日本生産性本部)の「ハイ・サービス日本300選」の受賞団体である。

 それぞれの活動概要を、まず紹介する。

八戸せんべい汁

 そもそも八戸せんべい汁を実際に食べたことのある人は少ないと思う。八戸せんべい汁とは、厳しい気候の地域であり、米が十分に獲れない八戸地域に発達した雑穀の保存食で、200年以上の歴史を持つ。つまり、せんべい汁は地元の八戸で日常的に食べられ続けてきた日常食なである。

 しかし、仙台の「牛タン」や秋田の「きりたんぽ」、土佐の「かつおのたたき」といったようなブランドはない。地元以外で、その認知が高いと言えるものではなかった。せんべい汁の専門店すら地元にはなく、これまで居酒屋などの飲食店での一つのメニューでしかなかった。

 このように長い歴史を持つせんべい汁を、八戸の食文化として観光資源化するとともに、それを使って全国の観光客を集客することで地域活性化を目指す市民団体として、有志によって八戸せんべい汁研究所が2003年に設立された。

地元の飲食業や流通業、宿泊業を活性化

八戸せんべい汁を扱っていることを示す幟(写真:内藤 耕)

 設立された八戸せんべい汁研究所では、せんべい汁を提供する飲食店の地図、それが分かる飲食店の旗「せんべい汁あります」、せんべい汁に関する物販や情報発信を行うウェブサイトとして「せんべい汁ドットコム」などを製作し、全国に向け幅広く情報発信していった。

 また、地域の店舗のサービスの品質の向上を図るために、八戸せんべい汁研究所では、サービスの品質の高い店舗を集中的に情報発信し、特定の店舗が評判になることで、ほかの店舗もそのサービスを参考にできるようにしている。

 このようにして、八戸せんべい汁を食べることを目的に、多くの観光客が全国から八戸市に立ち寄ることを目指している。これは、せんべい汁が夕食の中盤以降に食べられる副食であることから、観光客の多くは同時に地元の魚や野菜も食べ、宿泊もしてくれる。その結果、500円前後のせんべい汁という商材をもとに、地元の飲食業や流通業、宿泊業に幅広い経済効果を期待することができる。

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「地方都市の商圏拡大に効果を持つ「B級ご当地グルメ」」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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