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第18回 褒めようとするから、いつまでも褒められないのですよ

無理して褒めるより、相手を認めることから始めよう

  • 武田 斉紀

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2010年11月8日(月)

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私もかつて、自他ともに認める“褒め下手”だった

 前回の記事コラム『第17回 大人が大人をしかっちゃ、ダメでしょう』に、皆さんからたくさんのコメントをいただいた(本当にありがとうございます)。「しかる」に続く今回のテーマは、「褒める」とさせていただいた。

 人を育てるうえでの「褒める」ことの大切さについては、最近ではあまり異論を聞かなくなった。だが少なくとも私が子どものころ(昭和40年代)には、まだ一般的な考えではなかったように記憶している。私の思い出と言えば、先生に褒められた記憶よりも、叱られたり(時には今でいう体罰もあった)注意をされたりして教えていただいた記憶の方が鮮明だ。

 いつごろからだろうか。「褒める」ことで子どもたちが委縮せず、伸び伸びと成長したと紹介されたり、子どもからも褒めて育ててもらったことに感謝しているといった声を聞くようになって、「褒める」ことの大切さが注目されるようになってきた。

 もちろん「褒める」だけでいいと言っているわけではない。特に子どもの場合は、前回のコラムで触れたように、「しかる」あるいは「注意する」、できることなら本人が「気づく」機会を用意し、「期待」も添えてあげたい。さらに親子に限らず、上司と部下の間に信頼関係がなければ、「しかる」は逆効果であって何も解決しないことについてもお話しした。

 「褒める」ことの大切さは、子どもの教育だけでなく、会社などの組織や上司と部下、同僚との関係においても注目されて久しい。人を育てるだけでなく、人と会社を元気にするうえでも必要であるという意味において。

 だが、現実はどうか。日本企業で、上司が部下を積極的に褒める、社員同士が自然に褒め合うといった文化を持っている会社は極少だ。なぜ「褒める」ことで人が育ち、人も会社も元気になると分かっていながら、日本人の多くは相変わらず、“褒め下手”なのだろう。

 告白しよう。私もかつて、自他ともに認める“褒め下手”だった。サラリーマン時代のことだ。例えば課長であった私は10名弱の部下を抱えていたが、彼らに対してこう思っていた時期がある。「こんなことくらい自分だったら簡単にできるよ。それなのになぜ私のメンバーはできないのだ」と。

 上司ができることが簡単にできないからこそ、上司であり部下であったはずなのに。

 私は部下をほとんど褒めなかった。私が控えめに提示したレベルを部下が達成するのは、当然くらいに思っていた。だから最初のころ、「できました」とうれしそうに報告してきた部下に対して、「頑張ったのは分かるけど、まだまだだな」と言ってはばからなかった。読者の皆さんはお気づきだろうが、そんなふうに言われたら部下としては「やってられない」。私は大切な部下の気持ちを汲むどころか、やる気さえも奪っていた。彼らに対しては、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 時を経て、当社でご提供している<企業理念の共有浸透>や<管理職向け研修>を私がトレーナーとして実施しているのを見学していたクライアントから、「武田さんは参加者を褒めるのが実に上手ですね」との言葉をいただけるまでになった。「昔は本当に“褒め下手”だったのです」と告げると、意外な顔をされる。個人的には相変わらず不得意であり、十分とは思っていないが、自他ともに“褒め下手”を認める方にとって、今回のコラムは脱出するためのヒントになればと思う。

 また、今回も「褒める」をテーマとしたビジネス書や教育書を集めてみた。「しかる」以上に「褒める」をテーマとした書籍は数え切れないほど出版されている。すべてを開いたわけではないが、要点と思えることについて4ページ目にまとめてみた。「褒める」ノウハウのサマリーとしてお役に立てれば幸いだ。

 私としてはそのうえで、それらのビジネス書には書いていない、職場において「行きたくなる会社のつくり方」のヒントをご提示してみたいと思う。

コメント19件コメント/レビュー

思ったことを素直に表現というのは、「後輩」「部下」に当たる人間がやるとまだまだ風当たりが強いですね。先日もPJリーダーとして「すごいじゃないですか!助かります!」と言ったらメンバーの先輩(8歳上)がムッとして、「そういう言い方はしない方がいい」と言われました。年下から評価されるのが腹が立つということでした。評価って…そんな風にしか取れないのね、と寂しくなりました。今度はぜひ、褒め「られ」方についての記事を書いていただけませんか?(2010/11/15)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

思ったことを素直に表現というのは、「後輩」「部下」に当たる人間がやるとまだまだ風当たりが強いですね。先日もPJリーダーとして「すごいじゃないですか!助かります!」と言ったらメンバーの先輩(8歳上)がムッとして、「そういう言い方はしない方がいい」と言われました。年下から評価されるのが腹が立つということでした。評価って…そんな風にしか取れないのね、と寂しくなりました。今度はぜひ、褒め「られ」方についての記事を書いていただけませんか?(2010/11/15)

褒めるという行為自体は悪い事ではないにしても、褒められると何か裏があるという気がしてしまいますね。要するに、口先だけでおだてていいように使おうだとかそういった思惑を感じる事があるというか。人間「褒められた」だけで完全にやる気を出すわけではないかと。本文中にもありますが、定型文的で受け手が飽きる褒め方というのは評価側の問題でもありますが裏を返せば受け手もそれを疑い、ただ言っているだけだと思う可能性を考えられます。普段は何も言わないが忘年会では高い店で大いにおごってくれるとか、強い感謝を確実に感じられる無口な人と「ありがと」「サンキュー」以上の事を何も言わず、人事評価どころか具体性のある評価すらない人間とどちらが『感謝されている』と思えるのか、という問題ですね。(2010/11/14)

「褒める」という行為は明確な上下関係が成立している時に上のものが行うものだ。「祖父が孫を褒める」という言葉は成立しても「孫が祖父を褒める」という使い方はしないであろう。会社において上司と部下は明確な上下関係のように見えるが、局面によっては部下のほうが良く知っているあるいは良くできるということは最近のように専門化していたり業務領域が広くなっている状態ではありがちなことだ。こうした状況で上司が褒めるという行為を取ることは極めて難しい。仮に行えたとしても他の方のコメントにある通りにウソくさい。ではどうすればいいのか。私の提案は、「感謝の気持ち」を表すというものだ。「助かったよ」・「ありがとう」・「これからもよろしく」どれも、依頼した仕事の結果に対する感謝の言葉だ。これなら、上司と部下という立場を乱すことなく、それでいて部下の仕事の結果を認めることができる。もっとも、上司の指示・命令を部下は従って当然、という感覚の人にはできないことだというのが問題だが…(2010/11/10)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長