• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第5話「TPPの先陣を切る国に拠点を持ち世界経済を見極める。あいつはそういう男だ」

2010年11月10日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

 主人公の団達也が経理課長として新たな一歩を踏み出した会社、それがジェピーだった。ジェピー創業者の未亡人、財部ふみは、自身の遺産を達也に託し、達也はその遺産を元手に真理とMTC(Management and Technology Consulting group)を立ち上げ、その子会社であるMTCラボ(MTCL)をシンガポールに設立した。

 宇佐見はふみが最後まで頼っていた人物であり、伊豆の別荘で静かに隠退生活を送っていた。ふみの娘、早百合の兄益男は、かつてジェピー社長だった。

 達也はシンガポールでの「K01」発表会の後、高熱を発してホテルの部屋で伏せっていた。真理は達也の友人、文京病院の上条医師によってスカイプで簡単な診察を受けた。真理は、スカイプの画面に、沢口萌の姿が映ったのを見逃さなかった。

伊豆

 財部早百合は、久しぶりに伊豆の宇佐見の別荘を訪れた。今日も窓越しに大室山がくっきりと見えた。宇佐見はいつもの和服姿で、達也のことを話題にした。それは早百合が何度も宇佐見から聞いた話だった。

 だが、早百合も宇佐見と同じ気持ちだった。母、ふみは達也に現金を遺贈した。自分の思いを達也に託したかったからだ。早百合の兄の益男は、快く思っていなかった。だが、結果として、益男は達也に助けられ、いまでもジェピーの会長でいられるのだ。

 「オレは何の権限もない形だけの経営者に過ぎん」

 益男は、たまに早百合のもとを訪れて、愚痴を言った。そんな中、早百合は聞き捨てならない言葉を耳にした。

 「間中さんが、UEPCのシンガポール支社長になったそうだ。団達也を潰すためにね」

 「なぜ、団さんを毛嫌いするの?」

 早百合は、間中の気持ちも、間中を擁護する発言を繰り返す兄の益男の気持ちも理解できなかった。

 「人前でプライドを傷つけたからだよ。あの人は、団を絶対に許さない」

 そう言って、益男は声を上げて笑ったのだ。

 「早百合さん、達也が何を考えてるのか分かるかな」
 宇佐見は、腕を組んだまま話しかけた。

 「歴史が動き始めたんだ。特に経済でね。あいつはそこを見越している」
 「例えばTPP(環太平洋経済連携協定)だ」と言って、宇佐見はこんな話を始めた。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

一覧

「第5話「TPPの先陣を切る国に拠点を持ち世界経済を見極める。あいつはそういう男だ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私の仕事は経営することではなく、リーダーであることです。

ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO