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「はやぶさ」と「龍馬伝」のプロジェクトリーダーたちと話し合った「ホットチーム」

  • 北原 康富

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2010年11月9日(火)

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 最近、小惑星探査機はやぶさプロジェクトチームのリーダーであるJAXAの川口教授、大河ドラマ龍馬伝 制作チームのリーダーである鈴木チーフプロデューサーと、チームワークというテーマで、それぞれ対談する機会があった。

 ロジカルチームワークで対象にするチームと比べて、両チームともかなり大きな集団ではあるが、新しいことにチャレンジし、すばらしい成果を今年発揮したチームからは、学ぶことが多かった。まず、両チームにみられた共通点は、高い目標をわかりやすく掲げていたことである。

究極のチームワークとは

 ご存知のとおり、はやぶさプロジェクトは、惑星に着陸し、資料を採取した後、再び地球に戻ってくるという前人未到の目標。龍馬伝は、これまで脈々と続いてきた大河ドラマの伝統、そして坂本龍馬が既にもつ確固たるイメージから抜け出し、新しい龍馬像を表現するという目標であった。チームの目標とそれを達成することの価値を、メンバー全員が理解し続けることは、優れたチームワークに不可欠であることを改めて思い知らされた。

 おもしろいことに、衛星との通信が途絶えた数十日のはやぶさチーム、これまでにやったことのない撮影方法にスタッフが困惑する龍馬伝チーム・・・チームが危機に遭遇しても、モチベーションが下がるどころか、かえって大きくなったという。「チームのほとんどのメンバーが、仕事とかお金いうより、ただ、いい仕事をしたいと考えていた。もういいよといっても仕事を止めることはなかった」、と鈴木氏。「エンジンが止まるなど緊急事態が起きたとき、夜中でどうやって駆けつけたのかわからないが、いつのまにかすぐに全員が集まっていた」、と川口教授。これらのコメントからは、チームワークが強くなると、仕事という感覚を超えて、チームに貢献したいという強い衝動が、メンバーに生じることがうかがえる。

 クレアモント大学のブルーメン教授は、モチベーションが高度に高まった集団を「ホットグループ」呼んだ。そこではメンバーは、やっていることを仕事とは考えず、好きなことをしているという感覚になると示した。また、成功している経営幹部は、過去にこのようなグループを見たことがあるか、そのメンバーであった経験を持っているともいわれている。ブルーメン教授のいうホットグループは、組織の中に自然発生的にできる集団を指しているが、組織の中で公式に発足するチームに対しても、このようなホットな状態が生じた「ホットチーム」があると筆者は考える。冒頭で紹介した二つのチームも、責任や役割というものを超えて仕事をしていたとみられる状態があったことから、ホットチームといえるのではないだろうか。幸いなことに、筆者もホットチームにいた経験が何度かある。

 このようなチームでは、目標の達成にエネルギーが集中した状態になる。どうやらあまり簡単な目標では、ホット状態にならないようだ。目標が遠くにあるため、次々に難題に直面するが、これにかえって発奮し、少しでも達成に近づいたことがわかると、メンバーはさらに活気付く。チームの目標の達成になるなら、誰の役割でもない仕事でも、誰かが進んでやっている。仕事をしているのではなく、好きなことをしているような状態になり、時間の感覚がなくなっていく。この心理状態のことは、「フロー状態」といわれており、人がこのような体験をすると、またそのような集中した状態を求めると言われている。ランナーズハイという言葉があるが、それに似たものかもしれない。

ホットチームはどうしたらつくれるか

 さて、ホットチームというものは、どのような要因でできるのだろうか? 意図的に作ることは可能だろうか? チームがホット状態になるには、チームの環境、メンバー、そして仕事の内容など、様々な要因が関係する。そこでまず、チームワークの良さというものを少し整理してみよう。チームワークの良さを測るモノサシは、次の3つがある。

1.チームの業務効率・効果

2.メンバーのメンタルヘルス

3.チームの持続性

 まず第一はもちろん、チームが産み出す成果(パフォーマンス)だ。チームが目標とする仕事の量と質、および生産性は、チームの基本的な価値だということは明らかである。

 もちろん、チームの成果はチームワークだけが左右するわけではない。チームの成果は、仕事の内容(難易度や種類)、メンバーの能力、およびチームワークの、3つの要素によってもたらされる。心理学の研究では、最初の2つを同じ条件にして、色々なチームワーク状態を作り、成果の差を分析することによって、チームワークの要因の影響を測定する実験が行われている。

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