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確率的思考で考えるチャイナリスク

リスク分散の視点からも企業はインドに目を向けるべき

  • 吉田 耕作

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2010年11月11日(木)

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 現在、日本と中国は「戦略的互恵関係」を標榜している。中国は確かに成長可能な非常に大きな市場を有する。少子高齢化によって消費が縮小していく日本企業にとっては、多少のリスクを払っても中国で利益を上げたいと願い多額の投資が行われている。しかし、私は、日本の経済成長を中国の成長にあまりにもべったりと依存する構図に危機感を覚え発言してきた。領土問題、歴史感覚のずれ、反日教育など、国民感情に深く根差した多くの問題を抱えている中国に対して、すべての卵を預けてしまって良いのかと。

 日中関係の政治的基盤はあまりにももろい。ささいな出来事が進出企業の存立を危うくするような事態に発展する可能性を常にはらんでいる。大国であり、深いつながりのある隣国である中国とは今後ますます賢明な外交や民間の友好を活発にし、これらの問題を改善していく努力を根気よく続けていかなくてはならないのは言うまでもない。

 しかし、尖閣諸島の問題を契機として、経済界の中でも日中の関係を再評価する動きがみられる。 その損得を長期的展望に立って徹底的に検証してみる必要がある。

日中間に見られる経済的な問題点

1)日本の技術援助

 多くの日本企業が中国に投資をした時、中国はその条件として日本の技術を開示する事を要求した。しかし、日本は国土も狭く、マーケットも小さく、資源も乏しい。中国にとって日本の利点はその卓越した技術だけだった。その技術を習得した中国企業にとってはもう日本企業の価値は半減したのである。最近では高度のソフトの開示を要求して来る中国への対応に日本の民間も政府も苦慮している。

 中国には最先端の技術を持ち込まないようにする事が肝心である。あまりにも多くの日本のビジネスマンが短期的な利益のために、長期的な利益を台無しにしてしまっている状況を極めて残念に思う。また、日本人の努力によって築きあげた科学技術が、中国に軍事的に用いられるのを防ぐために、このような恐れのある分野において留学生受け入れについては慎重になるべきである。そして、日本企業の技術系の退職者が高給で海外で雇われ、彼らとともに日本のハイテク技術が流出しているという問題を早急に解決するべきである。

2)中国の模造品の問題

 世界中の多くの国々で中国製の模造品の被害に悩まされているようである。 一年間に世界に出回る模造品・海賊版の貿易額は推計で約20兆円を超えるといわれている。 

3)中国の環境問題

 中国の急速な工業化に伴って、中国の環境汚染の問題が深刻になって来ている。2008年における世界のCO2排出量の中で、中国の排出量は22%で2位の米国の19%との差が広がった事が国際エネルギー機関の発表でわかった。 

4)レアアース問題 

 中国はレアアースの輸出規制を強めており、メーカーや商社は脱中国の選択肢をあわてて模索し始めた。これだけ重要な機能を果たす鉱物をたった一つの供給国に頼るという事に、これまで何の危機感も持たず放置してきたとすると、これは日本の政府及び商社の指導者達の重大な失策なのではないだろうか。似たような事は石油についても、鉄鉱石についても言える。

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