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ブランドとプロダクトの価値をつなぐのが「コレクション」

面的な展開で、競合他社の追随を防ぐ

  • 佐藤 オオキ

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2010年11月10日(水)

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 ブランドとプロダクトをつなぐ要素として、「コレクション」があります。日本では、このコレクションという考え方が少し分かりにくいかもしれません。

 ブランドは、めったに変化することのない、確固とした世界観を持つ存在です。一方でプロダクトは、市場や流行の動向に合わせて、早いサイクルで作り出されていきます。そんな普遍的なブランドと、次々と現れるプロダクトの中間に位置づけられる、ある関連性を持つ一連のプロダクトのまとまり。それがコレクションです。

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 ヨーロッパの企業と仕事をする時は、私たちデザイナーも、ブランド側のスタッフも、単発のプロダクトをデザインするという意識をあまり強く持ちません。企画モノで1つのプロダクトを作る時でさえ、コレクションとしての横のつながりを考えます。ヨーロッパのブランドがプロダクトのデザインに求めるのは、主に機動性や柔軟性。その1つ上の階層にコレクションがあって、プロダクトの個性はコレクションとしていっそう発揮されるのです。ブランドは、さらにその上の階層にあると言うことができます。

 コレクションによってイメージを表現することは、ファッションブランドの秋冬や春夏ごとのコレクションの発表によく似ています。洋服のコレクションも、1点だけではそのシーズンの方向性や意図していることが十分に伝わりません。数十点の服がトータルでシーズンのテーマを表現し、さらに照明や音楽などの演出も重要な役目を果たします。

売れないと分かって作る意味

 家具のコレクションも同じで、あるテーマに基づいてデザインされた複数のアイテムがあることが重要なのです。また、広告などの広報活動や情報発信も不可欠です。そして、それらを積み上げることで、最終的にブランドの普遍性が構築されていきます。

 だからコレクションをどうお披露目するかも、家具ブランドにとってはとても大切。コレクションのテーマに合った会場を決めて、どんなパーティを行うかを考えていきます。

 毎年4月にイタリアのミラノで開催される「ミラノサローネ」に合わせて発表するなら、たくさんの人が集まる家具見本市の本会場(フィエラ)で発表するのか、ミラノ市内のショールームで発表するのか、または市内のギャラリーなどのスペースを借りて発表するのか。どんな人に向けて、どんな雰囲気でプレゼンテーションするかを、アートディレクターが中心になって戦略的に決断します。それによって、デザイナーとバイヤーやメディアとの接し方も、大きく変わります。

 改めて考えると、ヨーロッパのブランドは、プロダクトそのものへの思い入れが日本ほどではないのかもしれません。逆に日本の企業では、まず単独のプロダクトありき、という姿勢を感じます。たまたま同じタイミングで開発されたものをコレクションと呼ぶことはあっても、それがブランドとプロダクトの価値をつなぐものだという認識は希薄のように感じますし、テーマに必然性がなかったりすることもあります。もしコレクションを考えるなら、商品のラインアップも、ユーザーとのコミュニケーションも変化していくはずです。

 コレクションは、一連のアイテムによって価値を作り出すという考え方です。だから売れないアイテムにも、時として存在価値が備わっていることがあります。逆に数字を追ってばかりいると、本来の意味でのコレクションは完成しません。価格帯、スペック、マーケティングの情報だけで商品を構成するなら、ある程度の売り上げを作るのは難しくないけれど、いつかはジリ貧になっていくのではないでしょうか。短期的な利益は出せても、長期的な力がついてこないためです。

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