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できないことを克服する時、人間は一番伸びる

牧野 正幸 ワークスアプリケーションズCEO(最高経営責任者)

  • 増田 晶文

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2010年11月19日(金)

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 牧野正幸は光沢のあるブルーグレーに細いブラウンのチェックが入ったスーツ、シルクを思わせる白いブロードのシャツとゴールドイエローのネクタイ、胸にはエンジ色のポケットチーフ、袖もとを見やればカフスという姿で現われた。

 どこのブランドなのだろう。オーダーメイドなのかな・・・? この手のファッションは門外漢の私だが、生地と仕立てはなかなかのものとお見受けした。おまけに彼の髪はオールバックよろしく撫でつけてあり、ヒゲも不敵さを演出する。牧野が発散させる濃艶さとギラついた小粋さ、獲物を狙う獣のような視線があいまってなかなかの迫力だった。

 ワークスアプリケーションズCEO(最高経営責任者)である牧野ならではのダンディズムが、トライアスロンばかりかビジネスやライフスタイルと、どう同調しているのか――大いに興味が駆り立てられる。

 牧野は落ち着いた物腰で話し始めた。

 「誰もが真似できること、反対にできそうもないことって、実はカッコよさの微妙なポイントなんですよ」

 その声の響きは、意外にも(と言っては失礼なのだろうが)ハートウォームなものだった。

牧野 正幸(まきの・まさゆき)
ワークスアプリケーションズCEO(最高経営責任者)。1963年兵庫県生まれ。大手建設会社、ITコンサルタントを経て、1996年にワークスアプリケーションズをCOO(最高執行責任者)の阿部孝司氏とCTO(最高技術責任者)の石川芳郎氏と共に設立。2010年「働きがいのある会社」調査で第1位に選出された。著書に『「働きがい」なんて求めるな。』(日経BP社)、『君の会社は五年後あるか?』(角川書店)がある。

 「起業家が、誰にでもできるビジネスをしていてはラチが明かない。やれそうにないこと、困難にあえて挑んでいくことで商機が開けてくるんです。いわばアントレプレナーはブルーオーシャンに漕ぎ出していって、そこをレッドオーシャンに変えていかなきゃいけない」

 未知の市場空間(ブルーオーシャン)を開拓し、その存在を広く知らしめ、既知の市場空間(レッドオーシャン)へと成長させていく。

 なるほど、牧野がワークスアプリケーションズでやってきたことは、未知の青い海原へ飛び込むことにほかならなかった。彼が手がけた、受注から販売、在庫、生産、会計など基幹業務を管理し、サポートする企業向けERP(統合業務パッケージ)はその好例だ。

 「社会人インターシップ」も牧野ならではの着眼点と言えよう。転職を考える社会人が、アフターファイブや休日を利用してワークスアプリケーションズでの実務研修を受講するチャンスを作る。成績優秀者には3年の範囲でいつでも入社できる資格を与えた。

親友の誘いを断るなんてカッコ悪い

 「トライアスロンと聞いて、まず口走ってしまったのが『そんなのできないよ』でした・・・だけど考えてみれば、できそうにないからカッコいいんであって、僕が挑む価値もある。パフォーマンスに輝きが出てくるんです」

 牧野はインパクトという軸において、トライアスロンの対極にフルマラソンを置いてみた。

 「フルマラソンは過酷なスポーツだし、継続したトレーニングで脚力、体力、精神力を鍛えることが必要ですよね。まして完走するのはたいへんなことだと思います。それなのに、フルマラソンをやっているというインパクトはどうでしょうか」

 牧野は、やや間をおいてから言った。

 「『マラソン大会に出場している』と言っても、相手からは『お好きなんですね』程度の反応しか返ってこないんじゃないですか。そういう意味で、フルマラソンはメジャーになりすぎた。ブルーオーシャンじゃなくて、レッドオーシャンのスポーツなんですよ」

 だが、トライアスロンの場合は全く異なる。

 「『トライアスロンをやっている』と話したら、だいたいの人が『エーッ』と言ったきり絶句しますからね。誰も『そうですか』とか『お好きなんですね』なんて言わない」

 牧野がトライアスロンをやろうと決心したのは2004年の年末、気の置けない友人であるパーク・コーポレーション社長の井上英明からの勧誘があったからだ。

 「井上は僕以外にも何人かに声をかけていました。でも、大抵の連中は尻込みしてしまう。『いいね』と好反応を示したとしても、『今は忙しい』という理由で練習をやらないらしいんですね」

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