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英語公用語化=グローバル化という図式について

第3ステップ:コミュニケーションの本質を考える

  • 今北 純一

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2010年11月16日(火)

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 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングと、ネットショッピングモール「楽天市場」を運営する楽天とが、英語を社内の公用語とする方針を打ち出しました。このニュースは、東証1部上場の自動車部品メーカーであるユーシンが「30代―40代で英語が堪能」などを条件に次期社長を新聞広告で募集するといった材料とあいまって、あっという間に全国区的な話題となりました。そして、グローバル化を標榜する日本企業にとって、グローバル化には英語力が必須であるという論調が広がっているようです。

 グローバル化に英語力は必要か、と問われれば、もちろんイエスと私も答えるでしょう。実際問題として、日本人の中で英語できちんと仕事ができる人たちは、年代にかかわらず明らかに少数派にとどまったままだからです。ただ、その一方で、英語力を身につければ、それで直ちにグローバルビジネスの最前線で仕事をこなすことができるかと言えば、なかなかそう簡単にはいかないということになります。

 この意味において、英語を公用語化すればグローバル化につながるという図式には論理の飛躍があります。日本企業における英語の必要性については、今に始まったことではなく、これまでにも繰り返し唱導されてきたことです。ただ、今回の話はその英語を公用語化する、というところが注目を浴びたわけです。単に英語力を身につけることを奨励する、という程度の話ではインパクトはありませんが、英語を公用語化するということは半端ではありませんから、英語公用語化宣言は、日本社会全体に"ショック療法"としての効果を与えたように思います。これがきっかけとなって、英語力を身につけるべく本気で努力する人たちが増えていくことを期待したいところです。

 ところで、社内のすべての部署で、すべての人が日常的に英語を使う仕事に携わっているのであれば、英語を公用語とすることに無理はないかもしれません。

 また、英語に限らず、仕事で日本語以外の言語が必須になるような立場の人は、流暢になるならないは別として、少なくとも相手に自分の考えや信念を伝え、議論や交渉ができる程度にその言語を必死で習得すべきでしょう。

 そして、ハングリー精神と本気度を合わせ持っていれば、どんな言語でも、ある程度のところまではいけるものです。例えば、近年増えている外国人力士は、短期間で日本語を理解し、話すようになります。それは、彼らが、日本語が出来なければ何も始まらないという極限状況の中で、兄弟子や親方の言うことを理解しなければと、必死になるからでしょう。

 しかし、英語を公用語化するということは、仕事のうえで英語を必要とはしない人たちにも英語能力を要求するということです。日本人同士の間でも英語を使うということです。日本人同士が日本語でコミュニケーションすることでさえ不具合が日常的に起こるのに、英語を義務付けた途端に、言いたいことの何分の一、何百分の一しか表現できない人たちが続出することになりかねません。

 いずれにしても、ビジネスのマネジメント能力が優れている人が、みな語学能力も高いとは限りませんし、語学には適性がないという人もいるでしょう。ただ、本気で努力しないうちから、適性がないと自分で決めつけてしまうのは問題です。自分にやりたい仕事があって、その仕事を成就するためには英語がどうしても必要ということになったら、放っておいても習得のための努力を積み重ねるはずです。それでももし仮に、実務能力は抜群であっても、英語の習得には向いていないという人が出てきたとしたら、その時は、その人の能力を生かせる仕事を任せればいい。文字通り、「適材適所」のマネジメントを行うことが重要だと思います。プロジェクト・マネジメント(PM)においても、この「適材適所」が原則です。

1. 英語はコミュニケーションの重要な手段であるが、ビジネスの実践においては人間的な総合力が決め手となる
2. 人の心を揺り動かす原動力は、パッションと本気度のコンビネーション

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