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書店はレコード店に次ぐ絶滅危惧種なのか?

2010年11月16日(火)

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 作家の村上龍さんも電子書籍会社の立ち上げを発表するなど、いよいよ電子書籍の波は本格的になってきました。この様相を見ていると、なにやらレコード業界がダウンロードという新手の手法に呑み込まれて失速したのを思い出さざるを得ません。

 私があえて絶滅危惧種という言葉を使ったのは、動植物においてもその原因の多くが、肥大した人間の経済活動によるもの。これと同じように、科学技術の進歩によって経済活動が大きく変化し、それによって絶滅した商品やカテゴリーがあるからです。

 それは変化の証と見ることもできるでしょう。ただ、それらの商品やカテゴリーには、人間が積み重ねてきた文化のかけらが刻まれているはず。それを進歩の名の下に、切り捨てるのは果たしてどうなのでしょうか。

音楽はどうなった? 書籍は?

 音楽と本を比べてみましょう。ライブ音楽を別にすれば、基本的に音楽は何らかの電気機器を通して楽しむ。CDからダウンロード形式になったとしても、音楽という文化に触れるということを考えればそう変わることはありません。もちろん、ジャケット文化が失われますが、すでにレコードからCDに移行したときにその論議は起きました。結局、レコードは収集家のものとしてひっそり存在しているにすぎません。

 一方、本はどうでしょう。活字離れが進み、この10年で約6000店の書店が姿を消しました。この原因は、もちろん書籍・雑誌の販売が落ち込んだことですが、返本制度によって書店のマーケティング感覚が育たなかったこともあるでしょう。書籍の返本率は、年々高くなり、10冊仕入れれば約4~5冊は返本という状況。これでは、いくらリスクはないといえ商売にはなりません。それでも、まだ約6万店の書店が頑張っているカテゴリー。復活の方法はあるはずです。

 丸善は、松岡正剛さんと組んで「松丸本舗」を設立。従来型の本の並べ方をやめ、「本の見せ方」「本の接し方」「本の読み方」を全く新しい方法で提供する実験的に始めました。現在は、「男本、女本、間本」というテーマ。まさに、本屋をテーマパークに見立てているようです。

 こうした取り組みは、全国の小さな書店にも広がり、店のオーナーの色を出している本屋さんは健闘しているようです。

 私の事務所がある下北沢に最近オープンした「ダーウィン・ルーム」というお店は自然科学に関連した本(こちらは古本ですが)と雑貨のセレクトショップ。まさに「好奇心の森」のような店内にはカフェカウンターもありますし、磁石のように人を引きつける外観で新たな書店といえるでしょう。

 また、紀伊国屋書店では最も売りにくいけれど、とても大事な本「人文書」に着手。哲学、歴史、宗教、人類学、心理など敬遠されがちなアカデミックなものをどうやって手にとってもらうかに挑戦しました。

 それが、ブックフェア「じんぶんや」。学者や評論家にテーマに沿って厳選した数十点を陳列。本人の解説付きリストとエッセーなども無料で配布した結果、棚の奥で眠っていた本が動き始めたそうです。昨年からは、「いまこそ!人文書宣言」という連続企画も行っています。

本屋さんは自分と関係ないものと出会う場

 近頃、若いビジネスマンの間で朝の読書会などが盛んですが、自分に関係のある本しか読んでいません。ソーシャルメディアやフレームワーク、コミュニケーションやプレゼンのやり方など。それはいいことですが、それだけでは仕事に深さや豊かさが生まれず、どこかで見たことのあるものしか生まれません。

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「書店はレコード店に次ぐ絶滅危惧種なのか?」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士