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龍馬に学ぶ「マナーはテクニックではない」

誤解されることなく「気持ち」を伝える

  • 西出 博子

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2010年11月22日(月)

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 1852年、嘉永5年の秋。龍馬は「まだ行ったことのない江戸に行きたい」と姉の乙女と一緒に土下座をして父に頼みました。しかし、このとき父は龍馬に久万川の堤作りを命じました。これは『龍馬伝』第2回のシーンです。

 舞台となったのは、土佐の高瀬村と猪俣村。田んぼの水を取った、取らないで村人たちがしょっちゅうケンカをしている地域です。

 龍馬は村人たちに言いました。
 「堤を築いてもらう。よろしゅう頼む」と。
 しかし、それに対して、村人たちは返事すらしません。

 龍馬はなぜ、村人たちに無視されたのでしょうか。

 このときの龍馬は、命令口調で「よろしく」と言葉だけでお願いをしています。これでは相手は心地よく動けません。動く気になれないのです。そして龍馬は考えます。その後、時にはお辞儀をしてお願いをすることもありました。それでも彼らは動きません。

 さらに龍馬はみんなに対して指示棒で指示をします。このような態度では、相手に受け入れてもらえるはずがないということをこのときの龍馬はまだ分かっていませんでした。

 このような状況の中、龍馬は座って「みんなを監督することは退屈だ」などと呑気なことを言っています。要するに龍馬自身もこの仕事に対して気が入っていなかったのです。「どうしてワシがこんな監督なんかしなきゃならんのじゃ。ワシは江戸に行きたいのに!」という龍馬の心の声が聞こえてきそうです。指導者がこのような気持ち、態度、姿勢では、相手が動いてくれるはずがありません。

酒やつまみで人は動かない

 この回では、「なぜ、この堤作りが大切なのか?を知る」ということが大きなポイントでした。川の氾濫を防ぐという理由だけなのか。それであれば村人たちのほうが百も承知。それなのに、彼らは動こうとしない。

 龍馬はキーとなる理由を、おむすびを持ってきてくれた娘とその母親から教えてもらいます。その理由を知った龍馬は、何が何でもこの堤を完成させなければいけないと心を入れ替えました。

 しかし、龍馬の心が入れ替わっても村人たちは変わりません。人は思うように動かない、動いてくれない。龍馬は、自らおちゃらけて彼らに近づいていくのですが、それでも村人から受け入れてもらえない日々を過ごします。

 しかし、龍馬はあきらめませんでした。考えた挙げ句、彼らに酒やつまみを振舞いました。歌も歌いました。しかし、彼らに受け入れてもらえない龍馬。

 龍馬は彼らが身分の差を気にしていると思い、こうも言いました。

 「村人も下士も同じだ」と。

 しかし、彼らは「同じではない」と反論。「下士は犬のくそと同じ」「土佐にいらないものは、下士と犬のくそである」「これらは役立たずである」と。村人たちは、下士をこころよく思っていなかったのです。

 社会では、個人のイメージ=会社のイメージ。組織のイメージ=個人となります。龍馬は下士。しかし龍馬はここでもあきらめません。次に龍馬は、この堤作りの理由を村人たちに伝えました。

 その理由は、この川が何度も氾濫し、その度に男性はみんな亡くなり、向こうの村にはもう女性と子どもしか居ないといいます。だから生き残っている彼女たちの命を救うためにも、この堤防を作らなければいけないのだ。村の母と娘から聞いたことを話しました。そして、村人たちに「頼む」と土下座する龍馬。しかし、それでも村人達は仕事をせずに帰っていきます。

 龍馬は苦悩します。「ワシは人の気持ちが分かっちょらん。何ひとつ分かっちょらん」と。そして嵐のような大雨の中、龍馬は泥まみれになりながら独り堤をつくろうと動き出します。「ワシに何ができるか? ワシには無理じゃ」と苦悩の叫び声を上げながら、堤を一つひとつ積み重ねていく龍馬。

 この龍馬の姿を見た村人たちが現場に戻ってきました。村人は言いました。「お前のためにやるんじゃない。人の命がかかっているからやるのだ」と。そして、予定通り、堤は無事に完成したのです。

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