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厳選の時代! でも、あいまいな“何か”が就活や会社人生を左右する不条理

それでも求められる人材になるために必要な「自律性」

2010年11月25日(木)

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 「何がいけないのか分からない」

 就職の内定を得られない学生たちが必ずと言っていいほど、こぼす言葉である。

 既に各方面で報じられているように、今年の大卒予定者の就職内定率は昨年の62.5%を下回る57.6%(10月1日現在)であることが明らかになった。

 求人がないわけではない。来春の求人総数は58万2000人で、新卒の就職希望者45万6000人を大きく上回っている。しかしながら、学生たちは中小企業には行きたがらず、就職先の希望は大企業に集中する。

 「地方はイヤ」

 「通勤に不便なところはイヤ」

 「人間関係で苦労したくない」

 安定志向の影響だけでなく、少しばかり首をかしげたくなる理由で中小企業を拒む学生も少なくない。

 そんな学生たちを非難する人もいれば、そういう学生を生み出したのは社会だと指摘する人もいる。

 また、学生が集まる企業の間では、厳選採用が加速しているとも言われている。

 「就職氷河期に採用を辞めて、社内の人員構成がいびつになってしまった経験から、採用だけはしています。ただし、こんなご時世だからこそ、いい人材にこだわる。素直で、やりたいことが明確で、一緒に働きたいとこっちが思える学生を望んでいます」

 こんなこだわりを見せる企業もあれば、次のような企業もあるという。

 「正直な話、確かに『ちょっと……』という学生もいます。でも、うちの社員よりもはるかに優秀だと思う学生の方が多いですよ。ところが採用しないんです。おかしな話ですけど、採用予定人数よりも少なく採用して、『厳しい基準で選んでいる』ということが、企業のプライドみたいになっている側面もあるんです」

 受ける側、採用する側、それぞれの言い分はあるようだが、いずれにしても、学生たちは厳しい環境に置かれている。

 彼らの最大の課題は、「求められる人材になる」ことである。

「何がいけないのか」とこぼすのは学生だけじゃない

 しかしながら、厳しい状況にあえいでいるのは就活に挑む学生だけじゃない。くしくもこの数日間で、「何がいけなかったんだろう」と頭を抱える2人もの知人に会ったのである。

 1人は、少しでもいい環境で、自分の能力を発揮したいと、この厳しいご時世であえて転職しようと覚悟したものの、残念ながら不合格の通知を受けた39歳の男性。

 もう1人は、管理職の試験に挑んだものの、最後面接で落とされた客室乗務員(CA)時代の友人である。

 そして恐らく、“たまたま”会った彼ら以外にも、青息吐息をついている人は多いはず。例えば、肩たたきやリストラ、あるいはマイナス人事などに遭っているベテラン社員たちも、「何でオレなんだ? オレの何がいけなかったのか」と憤りを感じているに違いない。

 「とりあえず採用! とりあえず昇進!」だったイケイケの時代が過去のものとなった今、学生だけでなく、30代、40代、いやいや50代に至っても、すべての働く人たちが“厳選”される時代となった。

 「これだけ落とされると、『キミは社会には必要ない』と言われているような気がしてしまって、完全なる自信喪失です」

 現在40連敗中という学生のA君はこうこぼしていたが、ダメだと烙印を押されれば誰だってそういう気持ちになってへこむ。

 そこで今回は「求められる人になる」ということについて、考えてみようと思う。話はA君のケースに沿って進めるが、是非とも、既に社会で働いている方々も、「自分の立場」に置き換えて読み進めていただければ幸いです。

 まずは、A君の話を詳しく聞いてみよう。

コメント33件コメント/レビュー

河合薫先生が最終で合格した理由はよく理解できます。最終面接に進むためには十分条件として採用基準をクリアしていることが前提になります。しかし最終面接では「その人はどうしても欲しいか、まれな強みがあるか、取らなきゃ後悔するか?」といういわば合格の必要条件を最終確認したいのです。航空機すなわち空の上で、誰の助けも無しに、即断即決をもとめられて、100点でなくても回答を出す力はCAにもっとも必要な資質の一つと思います。それは育成できない資質です。私だって合格を出したと思います。(2010/12/02)

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「厳選の時代! でも、あいまいな“何か”が就活や会社人生を左右する不条理」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

河合薫先生が最終で合格した理由はよく理解できます。最終面接に進むためには十分条件として採用基準をクリアしていることが前提になります。しかし最終面接では「その人はどうしても欲しいか、まれな強みがあるか、取らなきゃ後悔するか?」といういわば合格の必要条件を最終確認したいのです。航空機すなわち空の上で、誰の助けも無しに、即断即決をもとめられて、100点でなくても回答を出す力はCAにもっとも必要な資質の一つと思います。それは育成できない資質です。私だって合格を出したと思います。(2010/12/02)

確かに不条理ですよね。大手各社はバブル期に新卒を大量に採用していました。今から考えると愚かなことで、先見の明があったとはとても言えません。新卒の採用数を抑制している現在も、各社に何らかの戦略があるとは思えません。非常に残念です。(2010/12/01)

今年就職活動をしていたので大変興味深く拝見させて頂きました。私は高専の専攻科(大学の学部に相当)に通っており、今年の5月に希望する大手部品メーカーから内定を頂くことができました。一般大学では内定率が57.6%と言う就職氷河期に、高専では内定率がほぼ100%、またTVで紹介されていた工業高校も内定率がほぼ100%だそうです。この違いは学生の意識の違いにあると思っています。高専に入学してくる多くの中学生は機械、電子、建築、物質工学などの学科を選んで受験します。すなわち中学生の時点で将来自分のやりたいことをある程度決めて入学し、その後早い段階で専門を学ぶことで自分の将来像がより明確になって行きます。一方普通高校では、偏差値の高い大学やネームバリューのある大学への進学を目指し、良い大学へ入ることだけが目標になっているように感じます。また大学へ進学した後でも、多くの人にその風潮が続いているのでは無いでしょうか?目的意識や将来像が無いまま過ごし、大学院への進学では学歴ロンダリングなんて言葉があるように、また名前だけで大学院を選ぶ。もちろん高専、大学生全ての人がこのうような傾向にあるとは思いませんが、学生の将来への意識の違いが就職率に大きな影響を与えて居ると思います。(2010/11/30)

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