• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

モノの進化からネットワーク社会の未来図を描く

ディスプレー・インタフェースに関する一考察

2010年11月26日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「経営レンズ箱」はこちら(2006年6月29日~2009年7月31日まで連載)

 最近、海外の仲間に教えてもらい、「Flipboard(フリップボード)」という米アップルのタブレット型端末「iPad(アイパッド)」のアプリケーションを使うようになった。

 どういうものか、説明が難しいのだが、単純化してしまえば、自分仕様にカスタマイズされた雑誌が簡単に作れるソフトウエアとでも言えばよいだろうか。最初から、たいへん美しいレイアウトの雑誌フォーマットが設定されている。表紙をめくると、目次に当たるページがあり、そこにFlipboardが提供するアートなどの記事に加えて、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「Facebook(フェイスブック)」や「Twitter(ツイッター)」で自分がフォローしている情報を簡単にセットできるようになっている。

 最近は、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアに、様々な一般メディアや企業が、(ちょうど海外の新聞の一面のような)重要記事の冒頭から途中までをレイアウトしたページを提供している。興味があれば、そこからワンクリックで、もっと詳しい内容を読み進めることができる仕組みだ。

 従って、Flipboardを使った自分向け雑誌の中身は、個人発メディアだけに限られるわけではない。英エコノミストだの、米ABCニュースだのを組み込み、毎日フォローすることができるし、ネットでの情報発信に熱心な非メディア企業を、「自分向け雑誌」の記事提供者に仕立て上げることができる。

 Flipboard自体は、日本語対応の問題など、まだまだ今後進化するのだろうと思うが、実によくできているし、このほかにも、情報収集ツールとしてよくできたアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」やiPad向けのアプリが次々と登場している。ソーシャルメディアを、ネット利用の際の第一インタフェースとする人たちも増えてきているようだ。

 これらを考え合わせると、ポータルとして圧倒的な優位性を誇ってきた検索サイト「Google(グーグル)」の座を、アプリやソーシャルメディアが、少なくとも一定程度は脅かすようなこともあるかもしれない。

ネット化で機能別からサイズ別へ

 さて、アプリや検索エンジンは、自分とネット社会をつなぐソフト・インタフェースである。一方、ハード・インタフェースの代表は、画面、すなわちディスプレーだ。パソコンやタブレット端末、あるいはスマートフォン。すべて、ディスプレーがメイン・インタフェースになっている。

 このディスプレー・インタフェースが今後どうなっていくのかということも、なかなか面白い論点だと思っている。何も「ウェアラブルコンピューティングで、眼鏡のようなディスプレーを使うようになるかどうか」というほど先の話ではない。テレビやパソコン、ケータイなどの境界線が、インターネットを介してどんどん曖昧になってきている今の状況がどういう近未来を生むか、という点についてだ。

 (あくまで個人的な、しかも現時点での仮説だが)私なりの結論を先に申し上げてしまうと、次のような状態が、割合と近い将来にやってくるのではないか、と考えている。

―  ネット化の進展に伴い、テレビ、パソコン、ケータイという機能別のマシンの区分けの意味が薄れていく。
―  これにつれ、ユーザーは、機能別マシンではなく、サイズの異なるディスプレーを用途に応じて使い分けるようになる。

 ここのところのスマートフォンの普及スピードは、目を見張るものがある。いよいよ迫ってきた3.9世代(LTE)やその後の第4世代の登場もあり、ついこの間まで音声通話と限られた文字データの交換が主だったケータイは、一種のモバイルコンピューターとして、動画も含めたネット利用に本格的に使われるようになる。

 また、iPadに代表されるタブレット型端末も、来年に向けて、新たなプレーヤーが続々参入、クラウド的なサービスもどんどん増え続けていくだろう。

 「Google TV」「アップルTV」といったいろいろなタイプの「ネットワークテレビ」も、従来の「とりあえず、ネットにもつながる」というレベルから大幅に改善されてきており、いよいよ本格的な普及期に入るように思える。

 ケータイやパソコン、テレビ。さらには、電子書籍専用リーダーも含めたタブレット型端末やポータブルゲーム機。これらのマシン群、もともとの主機能が次第にネット経由のサービスにシフトし、また、それ以外にも様々なネット上でのサービスを受けられるようなマシンと化していくだろう。従来ならば、4~5種類のマシンを使い分けなければならなかったところが、極端に言えば、スマートフォンあるいはタブレットといった端末1台で済ませることができるようになる、ということだ。

 機能という側面から言うと、マシン間の境界がどんどん曖昧になり、パソコンを買い換える際にネットワークテレビにするとか、タブレットにスカイプのような通話機能をつけてケータイを代替してしまうとかが、珍しくなくなるということでもある。

コメント0

「御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」」のバックナンバー

一覧

「モノの進化からネットワーク社会の未来図を描く」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本社会全体が寄ってたかって商品数を多くして、不必要に忙しくしています。

大村 禎史 西松屋チェーン社長