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ITの時代こそ、対面コミュニケーションを重視せよ

第4ステップ:対面コミュニケーションの意義を考える

  • 今北 純一

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2010年11月30日(火)

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 ITデバイス(情報端末)は今や、ビジネスには欠かせないツールとなりました。パソコンや「iPad」をはじめとするタブレット型コンピューター、「iPhone」や「BlackBerry」といったスマートフォンなど、様々なITデバイスが世界中で普及しています。欧州と日本の間を行き来しながら仕事をしている私にとっても、時差を気にすることなく連絡が取れるeメールは、なくてはならないものです。

 実際、その便利さゆえに、パソコンだけでは不十分とばかりにスマートフォンを肌身離さず持ち歩く人たちが私の身の回りで急増しています。

 ただ、私自身はふつうの携帯電話は持っていますが、ベーシックな通話機能以外の機能に必要性を感じないので、スマートフォンは持たないことにしています。また、このふつうの携帯電話も、ミーティングの最中とか交通手段を使って移動中といった時には電源をオフにしています。常に電源を入れて待機していなければいけないような急を要する連絡というものは、例外的なケースを除いて、実はそれほどないと思うからです。

 しかし、現実には携帯電話やスマートフォンなしでは不安でたまらず片時も手放すことができないというような“ITデバイス中毒”になっている人は少なくありません。eメールが使われ始めた当時は、eメールを送った相手がその人の都合のいいタイミングで確認できる点がメリットとされていましたが、今ではeメールを受信したら、すぐに返信をしなければいけないような風潮すらあります。
ITは便利な道具である半面、依存してしまうと弊害も生じます。

いつでも携帯で話せるからこそ、逆に対面の価値が高まっている

 いくつかの弊害の中で私が特にシリアスだと思うのはミーティングなどの場で、携帯電話やスマートフォンの電源を入れたままにされることです。いつでも会えるというわけではない仕事仲間と、あるいは仕事で関係のある相手とフェイス・トゥ・フェイスでの対話(対面コミュニケーション)ができる貴重な機会にこれをやられると、せっかくの意見のやり取りがスポイルされてしまいます。

 ディスカッションが盛り上がってきたところで、携帯電話に着信があったり、スマートフォンがメールを受信したりすると、その人はそれまでのやり取りをそこで断絶して、それが誰からのもので、どんな内容なのかをあわてて確認します。そして確認している間、相手の視界からこちらの存在は消えてしまいます。この何分間かの間、こちらとしては話をするすべもなく、手持ち無沙汰の状態を強いられることになります。

 こうなると、もはやそれまでの対話の密度を保つことは出来なくなってしまいます。ここで問題なのは、相手はこうして失われてしまう対話の密度にまったく気づかないということです。

 このように、常に連絡が取れる状態にしているのが当たり前という主義にしてしまうと、せっかくの対面コミュニケーションの場を生かし切れないばかりか、対話の相手の人に対して礼を失することになるということをわきまえておくべきでしょう。

 携帯電話やスマートフォンを気にしながらのコミュニケーションは、本当の意味で「対面」しているとは言えません。物理的には向き合っていても、相手に集中していない。集中力を相手に向けて話し合ってこそ対面コミュニケーションだと、私は考えています。

IT デバイスに従属してしまうと、対面コミュニケーションに支障をきたす
ミーティングの情景を頭の中に写し取ることなくして議事録を書くことはできない

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