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夫婦の流行語は「それって『幼児化する日本社会』ですね」

【番外編】「オトコらしくない」ビジネス本&ビジネス手みやげ10選【その3】

2010年12月1日(水)

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 本連載をまとめた『「オトコらしくない」から、うまくいく』好評御礼としましてお送りしてきた、SAMURAIマネージャー、佐藤悦子さんが選ぶビジネス本&ビジネス手みやげ10選、今回でいよいよ最終回です。榊原英資氏、柳井正氏、塩野七生氏と大物が並びますが、その切り口はやっぱり新鮮。清野由美さんのナビゲートで、最後のスイーツコーナーまでご一緒に!
「オトコらしくない」から、うまくいく』(日本経済新聞出版社)

幼児化する日本社会――拝金主義と反知性主義 榊原英資・著/東洋経済新報社

 本来、ものごとは相対的で、さまざま解釈があるものだが、最近は、短絡的に白黒を付けて、黒を徹底的に痛め付ける風潮になっている。単純な2分割法は社会を退行させる。日本社会に起きている思考の退化と、人間の幼児化をいましめる警世の書。
(書籍写真:スタジオキャスパー 以下同)

清野 佐藤悦子さんがお勧めするビジネスに役立つ本の第3回。最初は、榊原英資さんが2007年に著された『幼児化する日本社会』です。悦子さんのイメージからすると、異色のセレクトという感じですが。

佐藤 本の帯に「『何でもズバッと!』が社会を狂わせる」と書いてありますが、榊原さんがおっしゃっている「幼児化」とは、何にでも、すぐに白黒を付けようとする態度のことです。グローバル化、情報社会化が進む中だからこそ、本当は「あいまい」というものを許容して、そこを飲み込みながら、乗り越える態度が必要だ、という論なんですね。

清野 白黒を付けないって、本来、日本人が最も得意としていたことですよね。

佐藤 そうですよね。

清野 私も含めて周囲の日本人はみな、あいまいのうちに処世をしているような気がします(笑)。

白黒つけるのが、佐藤可士和の仕事なのですが

佐藤 ちなみに、佐藤(=可士和氏)は逆で、自分が行っている仕事は、「混沌とした状況の中で、どちらに進むべきか白黒付けること」でもあると認識しているんです。「あいまいな状況から抜け出すのが難しい状況だからこそ、ジャッジする人間が求められている」というのが佐藤の持論で、私も基本はその通りだと思っていました。なので、最初に書評でこの本の紹介文を読んだ時は、「わ、白黒付けちゃいけないとは・・・?」と、若干、動揺したりもしました(笑)。

清野 余談ですが、大江健三郎さんがノーベル文学賞を受賞された時の、記念スピーチのタイトルは「あいまいな日本の私」でしたね。

佐藤悦子さん (写真:大槻 純一 以下同)

佐藤 「あいまい」というのは、日本人社会のすごく深いところにある原理なんでしょうね。それで、この本を読んだ私が「あいまいを許容するのも今の時代の複雑な局面では大事かも」と佐藤に伝えたところ、だったら「基本はあいまいを許容しつつ、でも、しかるべきタイミングで、ジャッジを行うこと」が、ビジネスの現場では求められているのだ、という結論に落ち着きました。

清野 ひとひねりが入った複雑な「白黒」を付けていくんですね。

佐藤 例えば、オーナー経営者のような方がいらして、事業規模も大きく、今、体力もあって、スピーディーに成長の階段を上がっているような場合は、その場、その場で白黒のジャッジをどんどん付けていくことが求められるのですが、一方で、組織や予算がまだ整っていなかったり、業界自体の状況も右肩上がりというわけではない、などといった場合には、確かに、すぐに白黒を付けられないことも多いですね。

清野 とりわけ後者の時にどう出るか、ですよね。

あえて「あいまい」、それでも舵は取る

佐藤 佐藤は元来、性格的に、非常に白黒をはっきりと付ける方なので、「ちょっと、こういうふうに言いたいんだけど」と、相談を受けることもあります。タイミング的な問題やクライアントの社風などを考えて、それが本人の意図するような効果を生まないな、と思われる時は、「それって『幼児化する日本社会』ですね」と言って、はやる気持ちを抑えてもらったりしています(笑)。

清野 「幼児化」という論拠がお2人に共有されているんですね。

佐藤 実際、さまざまなプロジェクトがある中では、現実的に白黒を付けられない状況も多いものです。だったら、今は「あいまい」を受け入れて、その先のしかるべきタイミングで白黒を付ければいい、ということで、「今は『あいまい』でお願いします」と伝えたり。かといって、あいまいだけでは仕事の成果には、もちろん結び付きませんので、「あいまいな中にあっても、どこを目指していくのかという舵取りが求められている」ということは、常にリマインドしているのですが。

清野 「あいまい」でありながらも舵取りをするって、たぶん中国あたりの練れた政治家なんかは、そういう人たちなんだろうな、と思いますね。

佐藤 『幼児化する日本社会』は、読んだ後に、佐藤と私の間で、ちょっと流行語になった本でした。ただ、著者の榊原さんがお聞きになったら、「全然違う!」と、思われるかもしれませんが(笑)。

清野 そして、次に挙げていただいた本は、これ、ど真ん中が来ましたね。

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「夫婦の流行語は「それって『幼児化する日本社会』ですね」」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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