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第8話 「危機の本質は、無防備に自国経済を世界経済にリンクさせた代償だ」

2010年12月1日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也は細谷真理と2人の会社であるMTC(Management and Technology Consulting group)のシンガポール子会社、MTCラボ(MTCL)を設立、電気自動車のリチウムイオン電池の性能を飛躍的に高める部品「K01」の量産を始めた。

 「K01」発表会の後達也は高熱を発し、帰国後、真理に付き添われて文京病院の上条医師の診察を受けた。診察を終えて支払い窓口に行った達也と真理を待ち受けていたのは、ジェピー時代の同僚、沢口萌だった。

 達也は萌をMTCの一員に迎えたいと言ったが、萌はすぐには首を縦に振らなかった。

 ジェピー時代に達也に会社を追われた間中隆三はUEPCのラ・ホヤ研究所にいる三沢充を突然訪ねた。間中は、「どんどん稼いでもらえば、特許権侵害の賠償金が増える」と、達也を罠に陥れるつもりであることを三沢に言った。達也の「K01」を特許権侵害で訴えようと企んでいるようだった。

伊豆

 上条医師の診断を受けてから1週間が経った。達也の味覚はほとんど回復し、再び元気を取り戻した。

 MTCはちょうど台風の目の中に入ったのと同じ状態で、これまでの多忙な毎日からは想像がつかないほど、のんびりと時間が流れていた。

 MTCシンガポールでは、「K01」の製造ロボットの組立作業が急ピッチで進められている。これらのロボットは、近々、タイとマレーシアとインドネシアに移送される予定だ。一方日本では、K01の特許権にかかわる実体審査が行われている最中だ。

 特許権は簡単には登録できない。まず出願書類について形式チェックである「方式審査」が行われる。書類が受理されてから1年6カ月が経過すると出願内容が公開される。

 審査請求は出願日から3年以内にしなくてはなない。審査請求がなされると「実体審査」が開始され、出願された発明に特許を与えてもよいかどうかの判断が行われる。この審査は、発明の新規性や進歩性、先願の審査、「特許請求の範囲」や「明細書」などの記載をチェックする。ここで拒絶理由がないと判断され、3年分の特許料を払うことで晴れて特許権が取得できるのだ。

 達也は、当然K01の特許権は取得できるものと信じていた。K01は世界に先駆けた発明であり、その新規性は知的財産専門の佐伯弁理士によって、出願書類に余すところなく書き表されている。だれも異を唱えることはないし拒絶査定などあり得ない、と達也は考えていた。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第8話 「危機の本質は、無防備に自国経済を世界経済にリンクさせた代償だ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長