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本気で“売れないデザイン”の製品を作る理由

時代の潮目を変えなければ、ブランド足り得ない

  • 佐藤 オオキ

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2010年12月8日(水)

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 私、佐藤オオキが立ち上げたデザインオフィスnendo(ネンド、東京都目黒区)がイタリアの家具ブランドと仕事を始めた頃、先方が「これは売れないけれど製品化しよう」と言うことが多いのに、とても驚かされました。最初はイタリアンジョークかと思ったものです。

 が、実は本気で、確信犯的にそう考えているのです。前々回のコレクションの話にも通じますが、そうした“売れないデザイン”を彼らはしばしばコレクションに入れます。だからといって、そのための商品開発で手を抜くわけではありません。トップブランドになればなるほど、そういう傾向が強くあるように感じます。

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 巨匠系のデザイナーが手がけた名作とされるアイテムについても、やはり「売れる」「売れない」にかかわらず、ブランドは滅多にそれを廃番にしません。べつにデザイナーに気を使って出し続けているわけではありません。

 名作には発表された当時の社会性や空気感が備わっています。だからデザインの歴史が顧みられるたびに、ブランドの存在感も自然に高まっていきます。もしも廃番にしたら、その権利をほかのブランドが買って出し直すこともありえます。名作はそのブランドのカタログに載っているだけで大きな意義がある、のです。

 近年、活気あるブランドの中には、時代の空気感をデザインで表現することをブランディングの手法として活用するケースが増えています。特にモローゾカッペリーニといったイタリアの家具ブランドは、その中心にあり続けようとする意識がとても高い。ファッションに近い感覚で次々にトレンドを打ち出し、「この年といえば、これだよね」と言われるアイテムを積極的に発信していきます。

 ファッションブランドにとって、パリコレ(パリ・コレクション)などで注目される服と、実際にそのシーズンの売れ筋となる服は、ほとんどの場合において一致しません。ヨーロッパの家具ブランドも、そこを切り離して考える手法が極めて巧みなのです。

リスクを取って、ターニングポイントを狙う

 スイスのヴィトラという家具ブランドは、今年4月に開かれた世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ」で、新作として「Chairless(チェアレス)」を発表しました。

 これは1本のリング状のベルトで、床に座る時に膝と背中を結ぶように使うと楽に座れるというのがコンセプトです。日本でも3000円以下で売られる商品なので、家具のマーケットにしてみれば、どんなに売れても、金額はたかが知れています。

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 この“椅子”は、家具ブランドにとっては、かなりの変化球と言えます。1試合に1球、投げるかどうか。そんな魔球のようなものです。しかし、こうした製品がブランドの姿勢を伝えたり、名前を売ったりすることがあります。つまりChairlessは、ヴィトラにとってのステイトメントなのです。

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