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話す能力こそが世界へのパスポートになる

2010年12月14日(火)

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 ある中国人がさらりと言ってのけました。中国人と日本人の違いは、話に答えがあるかないかだと。どうしたいのか、イエスかノーかをすかさず言うのが中国人。日本人はお分かりのように曖昧さで切り抜けようとする。だから、中国人と初めてビジネスをしたほとんどの日本人は、中国人は一筋縄ではいかないと思うようです。

 また取引の場では、日本人はぞろぞろと何人も出席する。一方、中国人は当事者のみ。こういう光景は当たり前らしく、ひと言も発しない人が何故会議の場にいるのか、不思議に思うそうです。

 私自身も、そういう場を何回も経験しました。何故、話さない人がプレゼンや会議の場にいるのか。また、それを当たり前のように思っているクライアントに対しても妙な違和感を覚えました。これが、日本人的な交渉の光景と言えばそうですが、欧米の会議は全く違っていましたから、余計に変だなあと感じてしまったのです。

 つまり、たくさんの同僚や上司といることで「ひとり」の責任感が薄らいでいる。それをチーム力と言うこともできるかもしれませんが、たいしたチーム力になっているとも思えません。それどころか、これを続けていると個人の能力を奪いかねないのです。

 このやり方が「話をするのは自分以外の誰か」という意識を作ってしまい、話す訓練の場を少なくしている。これでは、自分が上司になって話す立場になっても上手に話すことができるわけがありません。

 日本市場が巨大で活性化していた時代はこれでも良かったでしょう。しかし、グローバルと日常的に競い合わなければならない今、もっとも大事な道具は「話すこと」。話すことは、戦いの入り口。そこを通らなければ、せっかくの技術も売り込むことができない。もうそろそろ、そのことを真剣に考えなければならないのです。

 話すことが稚拙では誰も説得できないということは、日本の政治家を見ていれば一目瞭然。なぜ、話すことを軽視しているのか不思議で仕方がありません。

 この「話すこと」をビジネスに巧みに使っているのが、米アップルのスティーブ・ジョブズCEO。みなさんも、ニュース映像や書籍などで彼のプレゼン・マジックはご承知でしょう。私も、「iPad」の発表プレゼン映像を3回見て、“すぐに欲しい”と心が動いて予約までして購入してしまいましたから。

 彼のプレゼンは毎回、聞く人を虜にする。「iPod shuffle」では、ジーンズの小さなポケットを使い、「iMac」ではビジネス封筒を使うといった具合で、視覚的に商品の良さを印象づけています。

 また、全く原稿などというものを見ていませんから、まるでショーのエンターテイナーや役者のような話し方。そういう彼を見て、プレゼンの達人とか天性のプレゼンテーターという人がいますが、それは自分の努力を棚上げにしている態度としか思えません。

 彼はプレゼンの前には、徹底的なリハーサルを納得がいくまで何度もやり、その上で発表の場に臨んでいるそうです。つまり、大好きな商品をどうやって世の中に知らしめようか、その情熱がここまでのプレゼンを生んでいるとしか思えません。「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」といった本も出ていますが、私なりにS.ジョブズのプレゼンのポイントを挙げてみましょう。

1.キービジュアルを設定している

2.冒頭でプレゼンのテーマを明快にする

3.数字の根拠は意味にあるものだけにする

4.情熱を伝える

5.メモは見ない

 こうしてまとめてみると、上手な話し手のほとんどがやっていることに気づきます。正義の話で有名なマイケル・サンデル教授、元アメリカ副大統領アル・ゴア、ラスベガスの帝王スティーブ・ウイン。それぞれに個性的なカリスマですが、共通しているのは、相手に分かってもらおうとする話し方。彼らは誰もメモは見ません。見ているのは、相手。相手の反応によって、話し方の緩急をつけているのです。

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「話す能力こそが世界へのパスポートになる」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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