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第9話「特許はジェピーが持っている。その特許をダンの会社は侵害している」

2010年12月8日(水)

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前回までのあらすじ

 団達也は細谷真理と2人の会社であるMTC(Management and Technology Consulting group)のシンガポール子会社、MTCラボ(MTCL)を設立、電気自動車のリチウムイオン電池の性能を飛躍的に高める部品「K01」の量産に向けて始動した。

 シンガポールのMTCラボでは「K01」の製造ロボットの組立作業が進められていた。ロボットはタイとマレーシアとインドネシアに移送される。日本では「K01」の特許権にかかわる実体審査が行われていた。

 達也は恩師である宇佐見秀夫の伊豆にある別荘を訪ねた。宇佐見は達也にTPP(環太平洋経済連携協定)に参加することは日本にどんな影響を及ぼすかと、達也の意見を求めた。

 ジェピー時代、達也に会社を追われた間中隆三は、米国UEPCのラ・ホヤ研究所にいる三沢充を訪ねた。間中は、「どんどん稼いでもらえば、特許権侵害の賠償金が増える」と、達也を罠に陥れるつもりであることを三沢に言った。達也の「K01」を特許権侵害で訴えようと企んでいるようだった。

 しかし三沢は「K01」の発明はアンディーが論文で既に発表していることから公知であり、特許にはならないと考えていた。そして、アンディーは論文を書くにあたって、金子のアイデアを盗み見たのではないかと思っていた。

UEPC内のカフェ

 ラ・ホヤにあるUEPC研究所にはカフェやレストランがいくつもあり、研究者たちはいつでもどこでも、しかもタダで高級の味を楽しむことができる。

 すっかりアメリカでの仕事に慣れた三沢は、研究に疲れるとそのカフェに顔を出してコーヒーを飲むことにしている。だが、今日は気分転換どころではなかった。三沢はコーヒーテーブルをはさんで目の前にいるアンディーを問い詰めていた。

 アンディーが業界紙に投稿したあの論文のことだ。それはリチウムイオン電池の寿命を画期的に延ばす理論について数式を使って表したもので、明らかに金子のアイデアを敷衍したに過ぎなかった。そのことを、三沢はどうしてもアンディーに聞きたかったのだ。

 「アンディー、きみは金子のアイデアを盗んだのではないか」
 こう三沢が切り出すとアンディーは、不機嫌な顔でこう答えた。

 「ミサワ。それはあんまりだ。私は世界最先端の研究者なんだ。日本の田舎会社のエンジニアのアイデアを盗んだと言うなんて、失礼にもほどがある」

UEPC研究室

 「アンディー、ビールにつきあわないか」
 その日の夜、間中は10年来の友に話しかけるかのように、アンディーをバーに誘った。

 「今日はかみさんはいないし、きみのミッションの進捗状況も知りたいしね」
 アンディーはうれしそうに答えた。

 「先週、K01の発表会でシンガポールへ行ってきたよ。ダンにも会ったし、エールを送ってきた。あいつ目を白黒させていたな。驚くのは早すぎるのに…」
 間中は品のない笑い声を上げた。

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「第9話「特許はジェピーが持っている。その特許をダンの会社は侵害している」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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