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あえてビュッフェでおいしさを実現する旅館「鶴雅グループ 森の謌」

2010年12月20日(月)

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 サービス産業にとって、より高品質なサービスを提供することが競合との差異化につながる。このことを疑う人はいないであろう。そのために、レストランはメニューに工夫し、食材にこだわる。百貨店は接客を大事にし、顧客が求める商品を揃える。旅館であれば、料理や施設のみならず、上げ膳据え膳で宿泊客を客室係が世話する。高価格帯のサービスのみならず、同じことは低価格帯のサービスでも基本的に同じである。

 しかし、高品質なサービスを提供し続けることは容易なことではない。1人の優れたスタッフが頑張って高品質なサービスを1回だけ提供することは可能である。しかし、たとえ同じスタッフであっても、常に同じ品質のサービスを繰り返し提供し続けることができなければ、顧客の満足を長期的に維持できない。つまり、どのようなサービスの内容以上に、同じサービスを繰り返し提供し続けられる方法論が圧倒的に重要である。

 高品質なサービスが評価され、長い期間にわたって「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(旅行新聞社)の総合部門1位として表彰され続けているのが加賀屋であり、「顧客の期待を先読む『おもてなし』が加賀屋の強み」「従業員の作業を支えるバックヤードが加賀屋の強み」「『対応は個別に臨機応変、指揮命令系統は一元化』が加賀屋の強み」として、人による高い品質のおもてなしのサービスを提供し続けるために、加賀屋がいかにバックヤードの整備を行っているかを本コラムで紹介してきた。

ターゲットは地元の女性客

 北海道阿寒町に拠点を置く鶴雅グループは、以下の8つの旅館を北海道内で運営する。

あかん遊久の里鶴雅(阿寒湖)

阿寒の森ホテル花ゆう香(阿寒湖)

あかん鶴雅別荘 鄙の座(阿寒湖)

サロマ湖鶴雅リゾート(サロマ湖)

北天の丘 あばしり湖鶴雅リゾート(網走湖)

しこつ湖鶴雅リゾートスパ 水の謌(支笏湖)

定山渓鶴雅リゾートスパ 森の謌(定山渓)

 この鶴雅グループが今年の10月にグランドオープンしたのが、札幌・定山渓にある「森の謌(もりのうた)」である。この森の謌は、1万5000坪の敷地の中にある。周囲は森に囲まれ、宿泊客は樹木のぬくもりを感じるようにしている。

 顧客ターゲットは女性にし、ゆったりした非日常な生活を過ごせるよう、落ち着きのある内装や調度品にし、サービスや飲食に様々な工夫を凝らしている。女性グループのために、客室の一部は、2つあるベッドの間にあえてソファーを置き、まるで我が家のように夜遅くまでおしゃべりできるようにしている。その客室には洗面台や鏡台が2つ置かれ、朝の慌しい身支度を同時に2人でできるようにしている。

 また、北海道の良さを宿泊客に見直してもらえるよう、玄関に石炭を敷き詰め、館内にはアイヌ彫りのオブジェを配置している。全国規模の広告宣伝を今のところ積極的に行わず、まずは地元の北海道の人に愛される施設やサービスになることを目指している。

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「あえてビュッフェでおいしさを実現する旅館「鶴雅グループ 森の謌」」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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