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英米人とのビジネス交渉に勝つ

論理戦を切り抜ける「3重のWhy」

2010年12月24日(金)

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 国際ビジネスを勝ちぬく交渉術について今日はお話しします。「英語の方が日本語より論理的であるから、常にWhy-Becauseで考えよ」と言われています。ここではもう一歩踏み込んで、3回続けてWhy と聞かれても大丈夫なだけの準備をすることを薦めます。これができれば、あなたはそれだけで優秀なビジネスマンです。

Whyで攻め立てるのが英米人の強み

 ある映画で見たシーン。カリフォルニアの大学生の男女が痴話げんかしているところです。

女:「あなたなんか嫌になった。時間にルーズだし、傲慢だし。別れるわ」
男:「Why?」
 というものでした。

 ぼくはこの男の発言にあきれてしまいました。女は既に別れたい理由をはっきり明示しているのです。今さらなぜWhyとその理由を尋ねるのでしょうか。

 ぼくがこの映画のシーンを紹介した理由は、これが典型的なアメリカ人の交渉の様子を示しているからです。すなわち、「ここではWhyと聞いてくる場面ではないだろう」と思う局面でもWhyが出て来ます。

 上記の映画ではWhyの回答として、
女:「あなたとはうまくやっていけないわ」
 と言っていました。これは「別れる」と同じ意味であって、Whyの回答にはなっていません。

 アメリカ人たちは必要もないときにWhy を使うのですから、回答する相手もBecauseで答え始めたとしても、理由にもならないことを話しているケースが多々あります。

 こうしたことは男女の間柄だけでなく、職場でも頻繁に見られます。
「このコンピュータは調子が悪い。隣りのを使ってよ」
「Why?」
 といった調子です。

 我々日本人は律義ですから、Whyと聞かれれば、「どうしてもその理由を言ってやらないといけない」という気に駆られます。しかし、理由なんか分からないことだってたくさんあります。これ以上、何を理由として答えたらいいのでしょうか。それほどWhyが乱用されているのです。

 このことはBecause という単語が頻繁に使われている事実にも現れています。

 日常会話ではBecause ときちんと発音しないで’cause とか’cosとか発音することがあります。このように短縮するのは
I’d (had またはwould)
He’s (is またはhas)
 といったように、使用する頻度の高い単語だけです。同じ接続詞でもTherefore とかHoweverには省略形はありません。いかにBecauseがよく使われているかが分かります。Why が多用されるからです。

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「英語は道具:銅メダル英語を目指せ」のバックナンバー

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「英米人とのビジネス交渉に勝つ」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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