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ココが違う!今どきでも求人が殺到する大学とは

(下) 大学が変われば、企業の採用方法も変わる

  • 恩田 敏夫

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2010年12月27日(月)

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 メガバンク、総合商社、製造業大手など錚々たる大企業の担当者が採用のため、引きも切らず訪れる大学が秋田にある。2004年に開学した国際教養大学(AIU)だ。就職状況が氷河期並みだった今春、「就職率100%の大学」と多くのマスコミに紹介され、一躍全国的に知られる存在になった。「AIUの学生は他の有力大学の学生を凌ぐ、即戦力人材として使える」(三菱マテリアルの採用担当者)などと、とにかく評価が高いのだ。何故これほどまでに大企業の採用担当者を惹きつけるのか。

 「企業の皆さんからは『AIUの学生は英語が堪能なだけでなく、異文化体験を通じて世界で活躍できるタフさと的確にコミュニケーションできる能力を身に付けている。困難に遭遇しても自分の頭で考え、対応する力が鍛えられている』といった評価をいただいています」。中嶋嶺雄学長は胸を張る。

 AIUは教員の半数が外国人。すべての授業を英語で行い、学生全員に「外国人留学生とともに暮らす1年間の寮生活」「1年間の海外留学」を義務付けている。留学できなければ卒業できず、卒業自体もGPA(成績評価値)による成績管理で可否が判断される。他大学では経験できないような厳しさとチャレンジを求めているのだ。

 訪れてみるとよく分かるが、秋田空港に程近い森の中にあるキャンパスの周辺には本当に何もない。コンビニもスーパーもなく、都会とはかけ離れた環境の中で、「学生たちはかつて経験したことのないほど勉強と向き合ってくれている」(中嶋学長)。1年間の寮生活の後も8割の学生はキャンパス内の寮やアパートで暮らす。大型の図書館が365日24時間オープンしており、学生の1割強が深夜1時から朝まで利用している。勉強漬けの毎日だ。

国際教養大学(AIU)の図書館

 学生の多くが留学に出発するのは3年生の9月か1月。企業の採用活動が本格化するのは3年生の秋だから留学時期が就活シーズンともろに重なる。それでもAIU生の就職実績はこの3年間を見ても、2007年度100%、2008年度99%、2009年度(今春)100%といった具合だ。「新・氷河期」といわれ、政府発表の2011年春採用の内定率(10月1日時点)が過去最低の57.6%というのに、AIU生の内定率はすでに96%を超し、年度内には100%を実現するという。

 何故なのか。企業がAIU生の能力を高く評価しているから、一括採用の対象でなく、通年採用枠として、採用担当者がわざわざ秋田のキャンパスまで足を運び、面接までして採ってくれるのである。日本を代表するような企業の採用担当者が企業説明会に年中訪れており、来年のオファーがすでに100社以上になっている。

大企業400社が「オンキャンパス・リクルーティング」

 片や大分県別府にキャンパスを構える立命館アジア太平洋大学(APU)。こちらも2000年に開学した若い大学で学生を社会に送り出して日は浅いが、「APUの学生だから」(富士通採用担当)という理由で、採用する大企業が多い。6000人超の学生のうち、90カ国・地域から集まる留学生が47%、教員の半数も外国人という多文化共生キャンパスの中で、学生たちは切磋琢磨してもまれ、企業からは「他人の心を掴む力、コミュニケーション能力が抜群」と評価が高い。特にAPU留学生の就職率は9割超と群を抜いている。

 何といってもAPUの最大の特徴は異なる文化、習慣、価値観を持って世界中から集まった学生たちが互いに刺激を与えながら、学び合える環境を作っていることだ。多様な価値観をぶつけ合い、理解し、幅広い人々と対話する能力を鍛えることができるようになっている。留学生は学生寮で暮らすが、一部は日本人学生と同室で生活するシェアルームになっており、異文化コミュニケーション能力や言語能力を高め合っている。日本人学生も勉学意欲旺盛な留学生に刺激され、一生懸命勉強しているという。

 APUでは企業の採用担当者を大分のキャンパスに招き、採用の一連の流れを大学内で行う独自の「オンキャンパス・リクルーティング」を実施しているが、学生の能力を評価する400社に上る大企業がこれに協力、企業説明から筆記試験、面接まで行い、内定を出している。

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