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はやぶさ救った「1個のダイオード」

削られなかった“ムダ”がニッポンの快挙をたぐり寄せた

  • 吉田 就彦

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2011年1月13日(木)

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 今やビジネスの世界はITが普及して、コンピュータによる事業管理が全盛の時代である。POS(販売時点情報管理)システムで瞬時に現場の売り上げ状況が分かるようになり、経営者やマネージャーにとっては、社内イントラネットに駆け巡る情報が次の手を打つ際に有効な情報となっている。ビジネスの最適化や「見える化」が志向され、効率化によるROI(投資収益率)が求められているのだ。

 しかし、果たしてそれだけがビジネスにおいて最善の道なのだろうか。その効率化指向が、実は今の日本の閉塞感を生んでいるひとつの原因なのではないか。特にメーカーなど大ヒットを生む事が命題である開発の現場では、排除されがちなムダや試行錯誤が必要なのではないか。

 自社にヒット商品やヒットサービスが出ないと嘆く経営トップの悩みや、結果がなかなか出ないことから焦燥感を感じている現場の原因は、実はいつの間にか社内にはびこった行き過ぎた効率化の後遺症なのではないか。

 ITを駆使する効率的経営を指向するあまり、せっかく生まれようとしているヒットの芽を摘み、ビジネスチャンスにチャレンジする勇気が削がれているのではないか。現在、日本の閉塞感の本当の原因は、このような「最適化の罠」にはまっていることなのではないかと思うのである。

 今その罠から脱出しなければ、これからの日本の成長はない。

 この連載コラム「ムダこそが大ヒットへの近道――最適化の罠」では、その罠にはまらなかった好例や、はまってしまった悪例を交えて論じることで、日本が元気になっていく知恵の1つとして「最適化の罠」からの脱却を提言する。

 第1回目のテーマは、2010年の日本の元気印となった「はやぶさ」の快挙に見る「最適化の罠」からの脱却である。

日本国民を熱狂させた「はやぶさ」

 2010年6月13日の小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還劇は、多くの日本国民を熱狂させた。「はやぶさ」本体が大気圏に突入して燃え尽きる様は幾度となくテレビでも放送され、これまで伝えられてきた幾多の困難を思う時、その「はやぶさ」の最後の雄姿はまるで自分が頑張ったことのように国民の感情を揺さぶった。

 天皇陛下が、2010年のうれしい出来事としてこの「はやぶさ」のことを挙げ、「決してあきらめず、様々な工夫を重ね、ついに帰還を果たしたことに深い感動を覚えました」と話されたということにも象徴されている。

コメント39件コメント/レビュー

はやぶさは純粋な研究開発目的のための技術実証機であって、ヒット商品などではない。はやぶさ本体ではなく、はやぶさの物語がヒット商品なのであって、それを商品化したのはマスコミだ(あるいはJAXAの広報)。筆者はそこを根本的に勘違いしているから、最適化の考え方への理解が間違っているのだと思う。(2011/07/07)

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はやぶさは純粋な研究開発目的のための技術実証機であって、ヒット商品などではない。はやぶさ本体ではなく、はやぶさの物語がヒット商品なのであって、それを商品化したのはマスコミだ(あるいはJAXAの広報)。筆者はそこを根本的に勘違いしているから、最適化の考え方への理解が間違っているのだと思う。(2011/07/07)

無駄を排除すべきはプロセスが標準化できるところであり、創造的・開発的な部門では無駄を排除するということが第一優先となっているメーカーなどいないのでは?ちょっと議論が安易に短絡しているような気がします。(2011/01/25)

筆者の不勉強を指摘しても仕方がないですが、このような専門的な事実に基いたと思えないような論旨展開にて、筆者の主張したい「最適化の罠」に結びつけるのは如何なものかと思います。◆ダイオードの追加は冗長回路の追加であり、同様の例はFMEA手法(それこそ、NASAで生まれた!)の典型として、その教科書に載っております。(万が一の燃料調節弁の故障に備えて2系統ある燃料タンクと噴射器の配管をつなぎ、クロスさせて使用可とする変更) ◆更に、この様な冗長性で追加された部位が新たな故障を生み出す可能性まで考慮し、その危険性に対する必要性と影響度について適切な検討が為されたはずです。 ◆如何に対策するかのアイディアは思いつきでも、その必要性に至るまでの道筋や、その実施への道筋は技術的アプローチを経る訳で、それら全体を含めて最適化と呼ぶのが工学における常識です。 ◆身近な例として、自動車でブレーキの油圧系統をクロス配置せずに省略してギリギリまで詰めた設計を最適化と呼ばないように、安易な「最適」の例示は避けるべきと。(2011/01/19)

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