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デザインの対価を、どう考えればいいのか?

日本とヨーロッパで異なる著作権の扱い

  • 佐藤 オオキ

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2011年1月12日(水)

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 デザイナーの仕事の対価である「デザインフィー」は、どんな仕組みになっているのか。決して複雑ではないのですが、ストレートに語られることの少ないテーマであり、あまり実態が知られていないと思います。そのため、「名の知れたデザイナーに頼むと、高い金額を請求されるのだろう」と思い込んでいる人もいらっしゃるようです。そんな不安や誤解を取り除くために、今回はデザインフィーをテーマにお話ししましょう。

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 デザインフィーのほとんどは、「買い取り」か「ロイヤルティー(使用料)」のどちらかです。

 買い取りの場合は、デザイナーが提供したデザインに対して、クライアントがあらかじめ決められた金額を支払う仕組みです。デザインした製品がどんなに大ヒットしようとも、全く売れなかったとしても、デザインフィーの金額には関係ありません。支払いは一度にまとめてということはほとんどなく、プロジェクトが確定したり製品の金型が完成したりなどのタイミングに合わせて2~3回に分ける形になります。

 一方、ロイヤルティーは、製品などの売り上げ金額に応じて、1年ごとに支払われる仕組みです。デザインの著作権を使用するための対価という考え方に当たります。ヨーロッパの家具メーカーの場合、ロイヤルティーは工場出荷額の2~5%程度に設定されるのが一般的です。

 買い取りとロイヤルティーを組み合わせた契約もあります。このほかにも、ブランドのディレクションのように、仕事量や売り上げに関係なく、年間契約で金額が決まる例もあります。また、インテリア・デザインや建築のように、総施工費の10%前後やマンションなどの規模になると3%程度、1坪当たり数万円といった金額が相場になっているケースもあります。

日本で多い「買い取り」方式

 私、佐藤オオキが設立したデザインオフィスnendo(ネンド、東京都目黒区)の仕事においては、日本メーカーとは買い取りが、欧米メーカーとはロイヤルティーが大半と、顕著な違いがあります。社会や企業におけるデザインの位置づけ方が、ここに現れています。

 日本メーカーでは、多くの場合、デザインフィーは開発費の一部として計上しています。そして製品が完成したら、デザインはメーカー自身が開発したものとして、基本的にメーカー自身が所有する形になります。このため、製品の発売後にバリエーションを増やしたり改善を施したりする作業については、外部のデザイナーは関与せず、メーカー内で進めていくことも少なくありません。

 また、買い取りにおいてデザインフィーの金額は、製品が完成するまでにデザイナーが具体的に何をするのかが判断の目安になりがちです。何枚のスケッチを描き、何枚のCG(コンピューター・グラフィックス)を起こし、工場に何度足を運んだのか――。こうした一連の作業に対して、メーカーは支払金額を決めます。この背景には、成果物や作業量で金銭的価値を判断し、無形の価値(アイデア)にはお金を支払うという価値観がまだ確立されていないということがあります。社会的仕組みとしても、「日本の税制では、デザインフィーを純粋にデザインに対する対価として計上しにくい」と企業の担当者から言われたことがあります。

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