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クルマの国? マンガの国? 違います。「日本は森の国です」

2011年1月18日(火)

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 本当に新しい年が始まりました。というより「振り返った時、あの年が」と言われる“きっかけの年”にしなければならない1年がスタートしたのです。

 そういう年にするためには、まず日本がどこへ向かっていくかを定めなければなりません。本当は政治家の仕事ですが、ご承知の通り、市民運動出身の総理大臣さえ「権力を掌握する」と息巻く日本の政治界ですから、頼りにするのは止めておきましょう。

 経済評論家の山崎元さんも、政治不在は日本の強みの現れかもしれないと言われていますし、他にもいろんな方が「日本を動かしているのは社会そのもの」と見ています。経済やマーケティングと立ち向かっている人たち。土地や海と共生している人たち。文化を継承している人たち。つまり、国民1人ひとりが日本を壊さないように動かしている、と思っているのです。

 だから、激動する世界から見れば、日本は安定しているように映る。緊急の時に、特に理由がなくても円が買われるのはそのせいなのでしょう。

 強烈な現状維持志向とも言えるし、曖昧なバランス志向と言うこともできる。本当に日本人は不思議な国民です。年々、こう感じるようになっています。(もちろん、いい意味で)

 たぶん、日本人の皆さんには何となく理解できるでしょう。なにしろ日本人ですから。しかし、グローバルと真剣に戦わなくてはならない時代。外の人たちに分かりやすく日本をアピールしなければ商売もうまくいきません。

日本のブランディングを考えてみる

 そのための方法の1つがブランディングです。単なるイメージではなく、国の存在理由そのものを明快にして、地球上にある意義を認識することです。それが、世界での差別化になるのです。

 例えば、アメリカは自由であることが何より大事な国、イギリスは議会政治を守る国、フランスは芸術で暮らしを変える国、中国は世界の市場をつくる国、インドはITで未来を作る国。一言で言い表すのは少々無理がありますが、では日本は? クルマや電化製品の国? マンガやアニメの国? 確かにそうですが、それらは日本を代表するひとかけら。すべてを表すものではありません。

 では、何か。私は間違いなく「日本は森の国」だと思うのです。森が文化・生活を作る国。森こそが、日本をブランディングする最高のモチーフになりうるのです。根拠はいくつかあります。

「日本は森の国」と言えるいくつかの根拠

 まず、日本は面積の約68%、3分の2が森の国。先進国の中では約74%のフィンランドが第1位で、約67%のスウェーデンが第3位。カナダは意外にも約33%で第13位です(データ:国連食糧農業機関・FAO)。そのうち、天然林は約50%、人工林は約40%、それ以外は無立木地や竹林など。

 つまり、資源のない国どころか、世界有数の森林国。この恵まれた資源があるのに、なぜ林業が凋落しているのか不思議に思わない人は少ないでしょう。林業の問題は、すでに日経ビジネスオンラインのコラム「誤解だらけの日本林業」で深く洞察されています。凋落の原因は輸入木材への依存だけではなく、公共事業に依存しすぎて自立運営することを怠ったことなどが挙げられています。専門家ではありませんので、詳しくはそちらをお読みください。

 次に、森は日本人の生活の原点。心の拠り所でした。木の生い茂る森は、「生やす(はやす)ところ」という成長を促す場所。それが「林」の語源になっています。木があり水があり木の実があり動物がいる。人間が住み暮らすにはもっとも適した場所だったのです。

 そして、それが古層の信仰へとつながった。森は神道ができるずっと前から、日本人の神のいる場所として畏敬されてきたのです。

 その名残りが、沖縄に残っている「御嶽(うたき)」や鹿児島県のモイドンなど。基本的にお社のようなものはなく、森そのものがご神体の聖地。韓国の済州島などにも「堂(たん)」と呼ばれる森の信仰が残っていて、縄文時代には日本全国に森の信仰があったことを物語っています。

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「クルマの国? マンガの国? 違います。「日本は森の国です」」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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