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変革の時代(とき)を迎えた自動車産業

その1 自動車産業を襲う二つの大波

  • 小屋 知幸

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2011年1月18日(火)

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歴史的転機を迎えた自動車産業

 自動車産業が変革の時代(とき)を迎えている。自動車業界では、ここ数年の間にエポックメイキングな出来事が相次いだ。2009年には中国における自動車販売台数が米国を上回り、世界一の自動車大国の座が米国から中国に移った。また中国だけでなく、ブラジル、インドなどの新興諸国でも自動車販売台数が急増している。自動車市場の重心は、先進国から新興国に移りつつある。そして金融危機後の米国では、自動車業界の盟主として君臨してきたGMが、経営破綻に至った。

 さらに近年は地球温暖化問題や石油価格の高騰によって、化石燃料を大量消費する自動車産業の在り方に対する批判や懸念が高まった。これを受けて2009年以降、三菱自動車や日産自動車など世界の自動車メーカーが相次いでEV(電気自動車)を発売した。約100年にわたり内燃機関として進化してきた自動車は、歴史的転換点に差し掛かっている。

 このように自動車業界では、前世紀から約100年間続いてきた秩序が、一気に流動化する局面を迎えているのである。

第1の波、市場構造の変化

 自動車産業には、2つの大波が押し寄せている。第1の波は、市場構造変化の波だ。つい数年前まで、自動車産業の主要市場は米・欧・日の先進国に限られていた。2005年における国別自動車販売台数は、米国(1744万台)が圧倒的なトップであり、世界第2位は日本(585万台)だった。当時の中国の自動車販売台数(577万台)は米国の3分の1にも満たず、しかも廉価な製品しか売れない市場であったため、日本の自動車メーカーは中国を重要市場とはみなしていなかった。

 しかしそれからわずかか4年後の2009年には、中国における自動車販売台数が米国を抜き、中国は世界最大の自動車市場となった。そして世界第3位の市場に後退した日本は、早晩ブラジルやインドなどにも抜かれ、自動車市場における存在感を失っていくと見込まれる。

 自動車市場の主役交代は、あっけないほどの短期間で実現してしまった。自動車業界関係者で、これほどまでに急激な変化を予想していた人は皆無であったと思われる。

 日本の自動車業界は、米国市場を最大の収益源とする経営構造を所与のものとしていた。つい数年前まで、自動車産業にとって最もプロフィッタブルな市場は米国であり、最もプロフィッタブルな生産拠点は日本だった。このため日本の自動車業界は、メイド・イン・ジャパン型ビジネスモデル(日本で作って米国で売るビジネスモデル)に安住してきたのである。

 ところが自動車産業の市場構造変化は、業界関係者の予想をはるかに上回る速度で進んだ。“儲かる車”が売れる米国市場に依存しきっていた日本の自動車メーカーは、中国などの新興市場で完全に出遅れた。

事業体制の再構築を余儀なくされたトヨタ

 豊かな北米市場を“ドル箱”とする旧来の市場構造において、最大の勝者はトヨタだった。2003年度から2006年度の3年間で、トヨタの世界販売台数は約670万台から約850万台へと、180万台も増加した。この間日本における販売台数はほぼ横ばいだったので、増加分はすべてが海外市場の販売台数である。特に伸びたのが北米だった。この3年間でトヨタは北米市場の販売台数を80万台以上も拡大した。

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