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“群れる”40代上司がもたらす負の連鎖

不公平感を募らす下の世代への伝染を防げ

2011年1月20日(木)

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 「うちの会社って、何をやっているんだか分からない上司がやたらと多いんです」

 またもや耳の痛い話を聞いた。何かと評判の良くない40代のバブル世代のことかと思いきや、その上の50代の上司も含まれるという。

 そのため、全体に占める「何をしているのか分からない上司」の割合が半端じゃないらしい。野球に例えれば、1人のピッチャーに対してピッチングコーチが10人はいる感じ、なのだそうだ。

 つまり、頭でっかちのいびつな年齢構成になっている組織では、「何をやっているのか分からない上司」が、“個”ではなく“層”で存在するわけだ。

 ある程度の年齢に達した人に、いつまでも現場ばかりをやらせるわけにはいかない。そのためには管理職にするしかない。ところが、フラット化や人員削減に伴うポストの廃止で、昇進したところで直属の部下は存在しない。

 こんな「何のための管理職」だか分からない上司が増殖するやんごとなき状況がどこの会社にもあり、部下たちが不満を募らせ、やる気を失っているという。

CA時代にもいた「何をしているのか分からない上司」

 私が若いころにも「一体何をしているんだ?」と皮肉の一つや二つも言いたくなる上司がいた。客室乗務員(CA)の職場は機内(=現場)だけなので、同僚や上司の仕事ぶりが見えやすい。何人かの上司には疑問を抱くことも正直あった。

 例えば、チーフパーサーと呼ばれるCAのトップがいるのだが、“働く”チーフパーサーは、ファーストクラスのサービスに参加したり、お客さんが多いクラスのサービスにかかわったりする。ギャレイ(台所)のヘルプもすれば、問題のあるお客様のケアもする。さらに、「お客様がフライトを少しでも楽しめるように」と積極的に話し相手になったり、子供の世話もしたり……。

 こうして下々のCAができるだけ担当業務に専念できる環境を作ろうと手を尽くしてくれたものだ。

 ところが、たまにエプロンすらしないチーフパーサーとご一緒することがあった。

 悪戦苦闘しているCAを、ドアサイドからただ見ていたり、パイロットさんのケアに専念してお客さんの前には顔も出さなかったり、猫の手を借りたいくらい忙しい時にフラリとやってきて、つまらないおしゃべりだけしてどこかに行ってしまったり……。

 しかも、どういうわけかそういう方に限って美人なのだ。完璧な化粧と良い香り。片や自分は髪を振り乱して必死で働いている。だから余計に「ずるい」などと、嫉妬にも似た感情が高まっていく。

 まぁ、当時は新人の方が多い、完全なる富士山型の年齢構成だったので、「何をやってるんだか分からない上司」は、明らかに“層”ではなく“個”として存在していた。むしろ仕事のできない若手の方が、組織としては問題だったかもしれない……。

普段は群れて仲が良いのに、肝心なことは話さない不思議

 ところが時代は変わって、逆富士山型の組織があちらこちらに広がってきた。上の世代の下でその重さにあえぐ若手社員たちの苛立ちは募るばかり。ある地方銀行に勤める32歳の男性は、「何をしているのか分からない上司」が“層”をなしていることによる弊害を次のようにこぼす。

 「上司と部下とのコミュニケーション不足についてはやたらと問題にするのに、中間管理職たちの間での横方向のコミュニケーションがないんです。だから、方向性が一貫しない。普段は仲良さそうに見えるのに、仕事ではお互いに無関心を装うって何なんでしょうか。本当はあまり仲良くない人同士が群れているような薄気味悪さがあるんですよ」

 コーチ同士では、1人のピッチャーに対して「どんな球を投げさせようか」と話し合うことなどできないのか。はたまた、ほかのコーチのやり方を真っ向から否定したくないと逃げているだけなのか。

 いずれにしても、仕事では互いに無関心を装いながらも、それ以外では“仲が良い”様子を、この32歳の男性は「群れている」と表現した。

 「群れる」という表現はこれまで団塊の世代の代名詞だったような気がしなくもないが、いよいよもってバブル世代も群れ出したということなのか。

 群れる――。残念な一言だ。

 そこで、今回は「群れるバブルオヤジ」について考えてみようと思う。

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「“群れる”40代上司がもたらす負の連鎖」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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