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欧米ビジネスの攻めのテクニックを身につける

核心は「ふっかけ」

2011年1月28日(金)

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 今日はビジネスにおける攻めのテクニックをお教えします。「英米人とのビジネス交渉に勝つ」でお話ししたのは、相手の攻撃をかわす守りのテクニックでした。この2つを合わせれば鬼に金棒となります。

MBAが教える攻めのテクニック「ふっかけ」

 「英米人とのビジネス交渉に勝つ」においては、「相手からの3重のWHY質問に答え抜けば相手の信頼を勝ちとれる」と申し上げました。これは守りのテクニックとしては最高のものですが、相手を攻めるものではありません。これに対して、今日は攻めの交渉術を伝授いたします。

 ぼくはこの技術をMBAで学びました。ぼくがMBAコースで得たものの中で最も大きいノウハウでした。その授業風景をみなさんにご紹介します。

 学生50人が2人ずつ25組に分かれます。教室の中で行うのですから、本物の中古車が目の前にあるわけではありませんが、5年もののカローラを売買すると仮定します。ひとりが中古車の買い手、もうひとりが売り手になります。2人で交渉をして中古車の売買価格を決めます。

 25組居るのですから、売買価格は25通りできます。

 買い手としてはできるだけ安く買った人が勝ちです。売り手はできるだけ高く売った人が勝ちになります。当たり前の話ですが、買い手として一番だった人の相棒は売り手の中では最悪の成績になるわけです。

 学生たちは大学院に来てどうしてこんなに単純なゲームをさせられるのか疑問でした。でも教授の指示だから熱を入れて交渉に入りました。

 30分後、全員が売買交渉を成立させました。教授が黒板にその価格を書いていきました。学生たちは騒然とし始めたのです。なぜなら、黒板に表れた最も高い価格が100万円だったのに対し、最も安いのは1万円だったからです。車の仕様や条件は同じであるはずなのに、なぜ、交渉の仕方によってここまで大きな差が出てしまうのか、学生たちは興味津々でした。

 その理由について、教授は学生たちに徹底的に議論させました。1時間後全員はひとつの理解にたどり着いたのです。

 「最初の提示価格が高かった方が最終価格が高くなる」

 というシンプルなものでした。交渉の要点は「中を2つで割る」ことです。「俺も泣く、お前も泣け。だからここで折り合おう」という考え方です。だとしたら、最初の価格が高いほどその中値が高くなるのは自明です。

 教授は授業の最後に、「交渉はふっかけだよ」で締めくくりました。それを聞いていた学生たちの間にはどよめきが起こりました。MBAでは高度な理屈を駆使した手法が紹介されると思っていたところ、交渉の本質は「こんな簡単な原理」だったのです。学生たちは目からウロコが落ちた状態でした。一瞬ですが、みな席を立ち上がれませんでした。それほどまでに衝撃的だったのでしょう。

ふっかけ交渉に英語力は重要ではない

 市場価格が100円くらいに見える商品を90円前後で売るなら、価格が魅力になりますから、販売交渉は簡単です。100円前後で売るのだったら、価格は他社製品と同じですから、自社品の強みをある程度語る必要があります。でも厳しい質問にさらされることはないでしょう。

 しかし、100円のものを300円として交渉に臨むには理論武装が重要になってきます。その製品のどこがどのように良いのか事細かに述べて買い手の心をとらえなければなりません。3倍の価値があるような物語をつくる必要があります。人一倍Whyの質問に答えるようにしておかなくてはなりません。

 ふっかけを行うときは態度もふっかけです。医者が死病に取りつかれた患者に、「たいしたことないよ。風邪がこじれたようなもんだよ」と言うときのように、堂々とやらなくてはいけりません。

 みなさんは驚かれるかもしれませんが、こうした交渉に英語力はあまり関係ありません。ぼくは交渉術のクラスを受講したとき、先生に相談しました。

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「欧米ビジネスの攻めのテクニックを身につける」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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