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中国エコシティの最前線~姿を現した2大プロジェクト

日立、双日など日本企業も遅ればせながら参加

  • 石原 昇

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2011年1月24日(月)

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 中国の都市開発は信じられないほど速い。数年で街の様相は一変する。中国で大規模な建設現場を目にして驚いた読者も多いことだろう。筆者が強烈な印象を受けた深圳の例をまず紹介したい。

 最初に訪れたのは「改革・解放」直後、経済特区に指定された80年代初頭だった。香港から国境を越え、一本道が続く道端には、縄で縛った亀を売る少年がうろついていた。中心部には1つだけ新築されたトレードセンターがそびえていた。中に入ると、異臭が漂い、照明は暗く、エスカレーターは止まっている。支配人に聞くと、電気がもったいないとのことで、せっかく作った噴水を動かしておらず、水が腐っている状態だった。最上階に上り市内を見渡すと、一面に水田が広がっていた。

 5年後、再び訪れると、あのビルはどこにあったか見分けられないほどに高層ビルが林立していた。東門市場には流行のファッション製品が所狭しと並べられ、若者であふれていた。深圳は今や人口900万人、GDPは1兆元(約12.5兆円)に迫る。1990年に開設された証券取引所には昨年末1169社が上場し、中国屈指の都市に発展している。

都市人口が5年内に農村人口を上回る

 北京、上海も90年代に大きく変わり、オリンピック、万博でさらに洗練された都市に変貌した。中国の都市化は地方に及び、その勢いは止まらない。国連ハビタット(国際連合人間居住計画)の「中国都市状況報告」によると、2009年末現在、中国には654の都市がある。そこで暮らす都市人口は6億2100万人、都市化率は46.6%となっている。今後5年内に、都市部の人口は農村部の人口を超える。2030年には都市化率が65%前後に達し、約3億人も増加する予測だ。単純平均で年間1500万人が都市へ押し寄せる計算になる。

 中国には、環渤海地域、長江デルタ地域、珠江デルタ地域という3大都市圏がある。都市化の進展で農村からこれらの大都市への人口流入が進んだ。また政府の中西部開発と地域振興策により、河南省中部、チベット中南地区、内モンゴル都市郡など地方都市の発展も目覚しい。2007年以降の経済成長率は、中西部が東部を上回っていることは案外知られていない。

 都市化の推進は、今年から始まった第12次5カ年計画の最重要テーマの1つである。都市化を通じて、低所得者層の所得拡大を図り、消費を刺激する政策である。同時に都市のスラム化や失業者を抑制するために、インフラを整備し、良質な住宅の提供や産業の創出に力を入れる。電気、ガス、上下水道、交通などインフラの整備だけで、今後10年間で最低16兆元(約200兆円)の投資を必要とする。

中国全土に広がるエコシティ建設

 急速な都市化は消費や投資の拡大をもたらす。しかし、深刻な環境問題も引き起こしている。生活水準の向上により、エネルギー消費、CO2排出、ゴミ量も増加する一方だ。

 中国語で「生態城」と表記されるエコシティは、環境への配慮と持続可能な発展の両立を目指した都市である。エコシティ、あるいはスマートシティといわれる都市は、太陽光発電などの再生可能エネルギーや省エネ住宅、普及が予想される電気自動車、これらをネットワークで制御するスマートグリッドも含めた一大市場として世界的に注目されている。先端技術を持つ企業にとって大きなビジネスチャンスだ。

 2009年、政府が管轄する中国都市科学研究会は、エコシティのモデル都市として13地域を選定した。まず政府主導で多様なモデル都市を造り、これをコピーして全土に展開していく狙いがある。既に一部で建設が始まっており、全土で100~200カ所のエコシティを建設する。将来は途上国に向けて社会インフラ輸出も目論んでいると思われる。

コメント3件コメント/レビュー

浦東の張江ハイテクパークに住んで既に8年経ちますが、回りの景色はまったく変わりました。ハイテクパーク内には、新たに電子医療機器関係の建物が目立つようにもなりました。先を見て貪欲に取り込む計画も、土地開発のし易さが支えているのでしょう。また、地下鉄2号線が空港まで開通し、とても便利になりました。経済開発に伴い上海で働く人たちにとって、住居の価格上昇は切実な問題となっています。会社の中堅どころは、家庭を持ち子供もまだ小学生でかつ親も同居という人たちなのです。2LDKに8人なんて友人もいます。よりよいサラリーを求めて、国外に出る人たちもけっこういます。余裕がある友人は、孟母三遷の教えどおり子供の成長に合わせて学校の側に住居を変えることもしています。同じ職場で働いていても各自の経済環境は異なり、この差分が各個人のモチベーションのひとつなのでしょう。与えられるのを待つのではなく、自己責任でチャンスに飛びつきより良い生活を手に入れる事が、共通観念となっています。(2011/01/25)

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浦東の張江ハイテクパークに住んで既に8年経ちますが、回りの景色はまったく変わりました。ハイテクパーク内には、新たに電子医療機器関係の建物が目立つようにもなりました。先を見て貪欲に取り込む計画も、土地開発のし易さが支えているのでしょう。また、地下鉄2号線が空港まで開通し、とても便利になりました。経済開発に伴い上海で働く人たちにとって、住居の価格上昇は切実な問題となっています。会社の中堅どころは、家庭を持ち子供もまだ小学生でかつ親も同居という人たちなのです。2LDKに8人なんて友人もいます。よりよいサラリーを求めて、国外に出る人たちもけっこういます。余裕がある友人は、孟母三遷の教えどおり子供の成長に合わせて学校の側に住居を変えることもしています。同じ職場で働いていても各自の経済環境は異なり、この差分が各個人のモチベーションのひとつなのでしょう。与えられるのを待つのではなく、自己責任でチャンスに飛びつきより良い生活を手に入れる事が、共通観念となっています。(2011/01/25)

各地にこれだけエコシティプロジェクトが林立すると、バブル?の感もありますし、“干潟を埋め立てて何がエコやねん”と感じなくもありません。しかし好むと好まざるとに関わらず中国は未来永劫隣国であり続けます。環境技術を売り込んだ結果として現在の大気汚染や環境破壊を改善してくれれば、我が国への波及(酸性雨・光化学スモッグ等々)を低減する、環境安全保障の側面もありますね。また、省エネを推進してくれれば資源の買い占めの緩和も期待できますね。KF(2011/01/24)

北京オリンピックや上海万博で、施設の建設や周辺部の整備を突貫で成し遂げてしまったり、都市部の再開発地域で同時に何本も高層ビルを建設したりする現場を目の当たりにすると、中国の底知れぬパワーを実感します。どのぐらい短期間で、何も無いところから都市(エコシティ)を作り上げ、機能し始めるのかは非常に注目するところです。(2011/01/24)

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