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マーケット分析の裏側にあるものを読み取る方法

既存のカテゴリーを調査したデータはどこまで信用していいのだろうか?

  • 斉藤 由多加

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2011年1月27日(木)

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ことばと企画

 広告代理店がプレゼンの際に持ってくる「マーケット分析」なる市場データ。得意げに携えてくるわけですが、これがいつもピンと来ない。

 大きな物事の決断には、「大義名分」が必要。なわけで、「おもしろそうだから」みたいな担当者の一存で企画を持ってくるわけにはいかない、という背景が、対企業への提案にはある。

 しかし、こういうデータってのが、どうにも信用できないのは、閉じた世界での「ことばあそび」や、「数字あそび」になってしまっているように感じるからなのです。

 これがどういうことかもう少し詳しく話します。

 本連載の11回の「ホウレンソウ」の項でも出しましたが、「リーダーが不在で仕事がうまくいってない」という社員の意見がある一方で、「リーダーが多過ぎて、誰か一人にしぼってほしい」という矛盾した意見も同時にあるものなのです。

 そこから「誰がリーダーなのか責任の所在が不明確で混乱している」という、上位にある本質を見抜くのは、人間の創造力でしかないわけであります。しかもそれはあくまで「仮説」にすぎない。

 この「仮説」に、とても大事な意味と、そして面白さあると僕は思うのですが、これはデータで裏付けられているのではなく担当者の提案ということになります。

結婚したいタレント、結婚したくないタレント

 かつて週刊誌が芸能ネタで、「結婚したいタレントベスト10」と「結婚したくないタレントベスト10」みたいな企画をこぞってやっていたことがあるけど、最近はすっかり姿を消してしまった。結局、その両方のトップにくるのはビートたけし、とか、明石家さんま、であるわけです。こういった時の人たちを、「結婚したい」と表現する人もいれば、「結婚したくない」と表現する人もいるけれど、要するに世の中の関心を引いていることは間違いない。このランキングそのものには意味がない、ということが分かってしまった企画でした。

 この手のアンケート調査ってのはとても難しいのでありまして、僕たちの仕事でいうと、新作ゲームのプロトタイプができると、一定数のモニターに同様のアンケートをするのです。テトリスを例えに、その意見リストを挙げると、「ピースの種類が多過ぎて、混乱する」という意見100 に対して、「もっとたくさんのピースがあったほうが楽しい」という真逆の意見が200くらい出てくるわけです。

 ほぼ出来上がっているゲームなので、あとはモニターの意見をふまえて調整すればいい、などと思っていたプロデューサーは、複数の項目に対して相反する意見が、様々な言葉表現でぶつけられるものだから、完全に混乱することになる。

 そして経験を積むうちにある技術を身につけるようになるのです。その技術とは、「無秩序な現象の中で自分の仮説をみつける技術」です。

無秩序な現象の中で自分の仮説をみつける技術

 「無秩序なデータの中で自分の仮説をみつける技術」という、長くてへんてこな命名をしてしまいましたが、この技術が、プロジェクトを継続してゆく上で、命綱だと思っています。これはゲーム開発だけでなく、商品開発、果ては会社経営にいたるまで同じだと思うわけ。

 かつて顧問をしていた一部上場企業がありました。この会社が景気の急減な変化に直面し、経営会議では、常に背反する意見がぶつかりあってました。1つは「思い切って社員数を減らしたほうがいい」というもの。もう1つは「商品と社員をもっと増やして多様性に富んだ企業体にしたほうがいい」というもの。

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