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第15話「付加価値の高い製品を作れない限り、日本には追いつけないわ」

2011年1月26日(水)

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前回までのあらすじ

 沢口萌はMTCに入社した。MTC社長の団達也は、シンガポールにあるMTCラボへの赴任を命じ、原価計算システムの設計を指示した。

 萌は、達也と細谷真理のもとで、管理会計の特訓を受けていた。早朝から夜までの講義の中で、達也は萌に次々と課題を与え、萌に自分の頭で考えることを要求した。

 UEPC研究所のアンディーは、上海にいるリンダを訪れ、「きみの会社でK01を作ってもらいたい」と持ち掛けていた。アンディーはリンダにK01は金子順平の発明ではないと言った。K01の特許は自分が業界雑誌に投稿し、公知になっているというのだ。

 しかし、K01のアイデアは金子のもので、K01を量産できるロボットの制御プログラムの発明をしたのも金子だ。そして、ロボットそのものを開発したのは、現在UEPCに籍を置いている三沢充であり、ロボットの特許を持っているのはジェピーだった。

上海

 「きみの国のGDPが日本を抜いたそうだね。すごいことだ」

 アンディーはリンダの機嫌をうかがいながら言った。この1、2週間、アンディーは毎日のようにリンダのオフィスにやって来ては、つまらない話をして帰っていく。

 今日も、いつもと同じ退屈な話題でリンダの気を引こうとしていた。アンディーの魂胆は見え透いていた。UEPCでリチウムイオン電池の制御部品を量産化するには、どうしてもMTCの金子の協力が必要なのだ。

 だが、K01が自分の発明であるかのような論文を発表したアンディーには、いまさら盗作とは言えず、リンダに接近したのだ。

 「そんなの私には関係ないことだわ。それに私はUEPCを辞めたのよ」
 リンダはそっけなく答えた。

 「ボクはきみの国の驚異的な成長を本気で素晴らしいと思っている。日本のGDPを追い越しただけではない。25年先にはアメリカを追い越すし、30年後には世界全体のGDPのシェアの24%に達するというじゃないか。アメリカと日本のGDPを合わせてもかなわない」

 「バカバカしい」
 リンダは一笑に付した。

 「あなたはタイムマシンで30年先の将来を見てきたとでもいうの? それに、この2ケタの経済成長がこの先20年間も続くと思っているの? 日本のマスコミは、中国に抜かれたなんて大騒ぎのようだけど、個人のGDPは日本の10分の1に過ぎない。この国は、まだまだ貧しいのよ」

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「第15話「付加価値の高い製品を作れない限り、日本には追いつけないわ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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