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「マーケティング現象」と考えれば、タイガーマスクは「死なない」

2011年2月1日(火)

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 もうすっかり下火になってしまいました、タイガーマスク現象。だからこそ、いま取り上げてみようと思います。

 善意や寄付ということに関連して、いろいろと論争が巻き起こりました。それらのことはすでにお読みだと思いますので、ここではあまり触れません。いずれにしても、ニュースという観点から見れば、マスコミにとってコインの表裏(ネガとポジ)のように都合のいい話題でした。役目が済めば、コインは裏返されるだけのこと。

タイガーマスク運動で学ぶべき3つの問題

 しかし、マーケティングの観点から見ると、この現象には学ぶべき根本的な問題が3つ潜んでいます。

 その1つは、「贈与」。ご存知のように経済の原点です。もともとは、沈黙の交易と言われ、見知らぬ部族から見知らぬ部族への贈与が行われていました。村はずれに贈与物を置き、それを受け取った部族は、再び違う部族へと贈与を行う。山岳地帯で、奇妙な貝殻が発見されたりするのは、もしかしたら海辺の部族が置いていった交易の証ではないかとも言われています。

 こうした贈与の循環が、経済の原型を作った。私たちが、誰かから物をもらうと、お返しをするのはこの行為がDNAに染みついているからなのでしょう。

 この贈与の観点から見てみると、資本主義経済の行き詰まりがよく分かります。富が一極に集中して循環が行われていないのです。現在の経済システムに贈与が組み込まれていないのです。もし、贈与が人間の根本的な欲求だとしたら、それをどう取り入れるかによって、新しい持続可能な経済を構築できる可能性があるかもしれません。

 損して得(徳?)を取れではありませんが、採算を度外視していいものを提供する覚悟や、出血大サービスは、贈与精神そのもの。だから消費者が素直に反応するわけですね。

 タイガーマスクの行為は、典型的な贈与のかたち。プレゼントをもらった子どもたちはその心に贈与を刻み込んで、大人になったとき贈与の循環を起こすに違いありません。マスコミが大げさに取り上げなければ、沈黙の交易として地についた経済活動になっていたのです。

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「「マーケティング現象」と考えれば、タイガーマスクは「死なない」」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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