• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

サッカー日本代表・本田選手は変わったのか

大人は誰もが、良くも悪くもガンコですから

  • 武田 斉紀

バックナンバー

2011年1月31日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

本田選手のルーツは少年時代にあった?

 サッカー日本代表が1-0で強豪オーストラリアを下し、アジアカップで優勝した。

 延長に及ぶ長い試合が終わった瞬間、思わず「やった!」と叫んだ人も多かっただろう。私もその一人だ。深夜にもかかわらず、多くの人がテレビで観戦した。日本は強くなった。ワールドカップ南アフリカ大会、そして今回のアジアカップでもチームを牽引した本田圭佑(けいすけ)選手が大会MVPに選ばれた。本田選手は「この賞はチームメートとスタッフのみなさんに捧げたい。みんながいなければもらえなかった」と感謝の気持ちを伝えた。実に謙虚な言葉だった。

「ボールをもったら、とりあえずオレを見ておけ」

「サッカーで緊張したことはない」

「状況に応じてチームのためにエゴを消さないといけないが、理想は(試合時間中である)90分エゴを出すこと」

「それはごもっともだけどオレの考えは違った」

「自信がなけりゃ、やっていられないでしょ」

「(2010年サッカーワールドカップ南アフリカ大会を前に)ぼく自身はベスト4でなく、優勝を目指していいんじゃないかと思っている」

 これらは代表デビュー後のこれまでの本田選手の語録として知られる。彼はその言動からビッグマウス(=大口をたたく人)と呼ばれてきた。

 プレーにおいても代表デビュー当時は、「オレが、オレが」のスタンドプレーが目立っていたように思う。しかしワールドカップ南アフリカ大会、そして今回のアジアカップではチームのために献身的なプレーが目立った。それは本田選手の個性や基本的な価値観が変化したからなのだろうか。

 昨年上梓された『子どもをサッカー選手にするためにできること』(伯井寛・巴康子・赤澤竜也著、PHP研究所)では、日本サッカー界のキーマンとして活躍する選手たちがいかに育ってきたのか、多くの関係者に取材して紹介されている。そこに本田選手も登場している。

 本田選手には兄がいるが、圭佑少年は小さいころから日常のささいなことでも兄に対して勝負を挑み、本気で競い合っていたそうだ。3歳違うので何度やっても勝てないのだが、それでもあきらめずに戦った。「(弟は)どんなことでも真剣に取り組むんです。遊んでいても遊びじゃなくなる。(かくれんぼでも)まるで『かくれんぼ』というプロの職業があるかのように命懸けで隠れる。本気なんですよ」と兄の弘幸さんは振り返る。

 また「(本田選手の)父はとにかくポジティブ」で、「リスクを恐れないタイプ。何ごともリスクがあって当たり前」と考える人だったそうだ。まるで父親の言葉を地でいくかのように、本田選手はJリーグ・名古屋グランパスでの主力選手の地位を捨て、海外にチャレンジする道を選んだ。オランダのチーム、VVVフェンロに移籍し、そこでも実力を発揮してキャプテンまで任されるようになった。にもかかわらず昨シーズンはロシア移籍に挑戦したのだ。

 「とにかくあの子は群れる子ではなくホンマもんの一匹狼。ものすごい自信家ではありました」(小学校から本田選手を知るサッカーの恩師)。「根は素直で、いつまでも子どもなんです。物怖じしないから、思ったことを言っちゃう」(ジュニアチーム時代の監督)。その一方で父親や恩師、古巣のチームなど「支えてくれる人をとても大切にする」一面もあるのだという。そして本田兄弟の人生の目的はサッカーで“海外で活躍できる選手”になることだった。「日本の価値観ではなく、世界の価値観のなかでサッカーをしたい」(本田選手)。

 本書では、長谷部誠、遠藤保仁、長友佑都、内田篤人、岩政大樹、川島永嗣の各選手らの生い立ちも紹介されている。試合やオフで見せる彼らのプレーや言動、表情、そのもととなる個性や価値観がいかに育まれてきたかが分かり実に面白い。彼らは小さいころからサッカーが大好きで、来る日も来る日も朝から晩までボールを追いかけてきた。少年時代、思春期のすべてがサッカーだったといっていい。それだけに、育んできたもののすべてがサッカーを通して表れてくるのだろう。

 少年時代、思春期を通して育まれた人生の目的や個性、価値観が、簡単に変わるとは考えられない。本田選手は恐らく何ら変わっていないのだろう。変わったのだとすれば、日本代表チームという中での表現の仕方を変えただけではないかと私は思う。

コメント19

「武田斉紀の「ブレない組織、ブレない生き方」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授