「「ローカリゼーションマップ」」

「日本のゲーム」に足りないこと

舞台設定した場所を知り尽くせ

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2011年2月16日(水)

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 欧州−日本間の長距離フライトに乗っていて気づくことがある。

 コンピューターゲームに熱中している人を見ていると、その多くが日本人なのだ。機内備え付けのゲームや携帯型ゲームを持ち込んで、遊びに興じているわけだ。

 もちろん、欧州の人だってゲームをやることもある。しかし、機内で使用比率は低いと思う。欧州の街中でも、駅のベンチなどでケータイのゲームにはまっている若者もいる。だが、彼らはスーツを着ていない。

 スーツを着た人たちがゲームに夢中になっている――。日本の通勤電車では、よくある風景だが、欧州ではほとんど見られないのだ。

 公の場でゲームをすることに、社会的な壁があるのだろうか。「壁がある」と断言はできない。ただ、ゲームの位置付けが、日本と欧州で異なることは容易に想像できる。

 イタリアで生まれ育ったからだろう。小学生の息子は、インターネットゲームについて、こうつぶやく。

「日本のゲームは、なんかぬるいね。あんまり好きじゃない」

 ところが、そんな言葉とは裏腹に、息子は任天堂DSで『スーパーマリオブラザーズ』に夢中になっている。Wii でサッカーゲームにはまると、時間が経つのを忘れるようだ。当然、私はイライラしてくる。「言っていることと違うじゃないか」と。

 つまり、欧州でも熱狂的に受け入れられる日本のゲームだって、あるわけだ。

 その境界線はどこにあるのか。ゲームの出来の問題なのか。はたまた文化の問題なのか。よく分からないが、欧州の人に受けるゲームには、何か傾向がありそうだ。

 そこで今回も、その道のプロにご登場頂こう。

 日本のゲーム会社が加盟する社団法人「コンピュータエンターテインメント協会(CESA)」。その団体が主催する「CEDEC」というイベントがある。ゲームを含むコンピュータエンターテインメント開発者に向けた日本最大のカンファレンスで、次々と最新技術の情報が発表され、関係者が交流する。

 CEDEC運営委員会委員長をつとめる吉岡直人氏に、最新のゲーム事情を聞いていく。

コンテンツでのジャンル分けが重要

安西:まず、基本からお願いします。世界のゲーム動向を見るには、どういう分類で見ていくべきか。例えば、ゲームの種類は「ゲーム機」「オンラインゲーム」「モバイルゲーム」という分け方でいいのでしょうか。

吉岡:つい最近までは、その区分けがメーンでした。しかし、現在ではハードウェアによる性能差が縮まり、携帯電話でも一昔前のゲーム機を凌駕します。また、ネットワーク接続も、デバイス間で大きな差はありません。そこで、ゲームコンテンツの特性によって、プラットフォームを選ぶようになりつつあります。

CEDEC運営委員会委員長の吉岡直人氏

安西:まず、ゲームの特性が重要になっているわけですね。では、どのようなカテゴリーに分けられますか。

吉岡:一般には「ロールプレイング」「シューティング」「アドベンチャー」といった感じで分類されます。でも、こうした分類は、今や「分類のための分類」になってしまったように感じます。

安西:では、どう分類すべきでしょうか。


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著者プロフィール

安西 洋之(あんざい・ひろゆき)

安西 洋之1958年横浜市出身。上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、イタリアでビジネスプランナーとして独立。現在、ミラノ在住。デザイン、食品、文化論などを活動領域とする。著書に『ヨーロッパの目 日本の目――文化のリアリティを読み解く』。ブログ「さまざまなデザイン」、Twitterは@anzaih

中林 鉄太郎(なかばやし・てつたろう)

中林 鉄太郎1965年東京出身。デザイナー、デザインディレクター。桑沢デザイン研究所卒業後、建築設計と工業デザインを手掛ける黒川雅之建築設計事務所に入社。プロダクトデザインを担当し10年目に退社後、1997年テツタロウデザイン開設。文具、日用雑貨から住宅設備機器などのデザイン、中小企業へのデザインディレクションも行う。社団法人日本インダストリアルデザイナー協会正会員。日本大学芸術学部デザイン学科非常勤講師。Twitterは@designer_tetsu



このコラムについて

「ローカリゼーションマップ」

世界各国の思考や文化を理解することで、現地のニーズに適した商品ができる。この手助けをする目的で設立されたのが「ローカリゼーションマップ研究会」だ。主宰する2人が、「ローカリゼーションとは何か」について、具体的事例を通じながら異文化を理解するためのロジックを提供していく。

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