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「行列のラーメン」を生み出すミステリアス工場

とんこつラーメン「一蘭」(下)

2011年2月22日(火)

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 横浜市内の高速道路の出口を滑り降りると、そこは多くの工場が立地する地域だった。

 その一角に、行列ができる博多とんこつラーメン「一蘭」の生産基地がある。

「工場内はお見せできません」

一蘭の横浜工場

 すでに東京や神奈川など関東に14店を構える一蘭は、ここでスープや食材を仕込んで、各店に送り込んでいる。前回のコラムで紹介したように、「個室カウンター」で集中して味わってもらうシステムなど、独自の取り組みで急成長している。

 その秘訣が「どの店でも同じ味を再現すること」だった。それは、繰り返し来店する客の期待を裏切らないということだ。

 これまで幾多の繁盛ラーメン店が、多店舗展開を果たせなかった壁だった。「名店」と言われても、零細企業で終わってしまう。料理人の微妙なさじ加減が味を大きく左右するラーメンで、「均質」に作ることは極めて難しい。

 この横浜工場には、そんな業界に立ちはだかる壁を破るノウハウが詰まっている。

 対応してくれた一蘭の幹部は、後述するように、その仕組みを工場の会議室で語ってくれた。だが、どうしても工場の中を見せてくれない。

 「ちょっとだけラインを見せてくれませんか」

 「いや、それだけは勘弁してください」

 幹部は申し訳なさそうにそう言うと、最後にこう誘ってくれた。

 「せっかくですから、ラーメンを食べてきますか?」

 お言葉に甘えて、ご馳走になることにした。

 それは、何とも奇妙な光景だった。畳が敷かれた従業員休憩室で、ネクタイを締めた社員がラーメンを作ってくれる。後で知ったことだが、彼は調理の研究をしている社員だった。その彼が、ラーメンの好みを聞いてくる。

至極のとんこつラーメン(写真は下北沢駅前店)

 「ネギはどうしますか」

 店舗とまったく同じように、こちらの好みに応じて味やトッピングをオーダーした。そして出された一杯は、店で食べるラーメンと同様に、臭みのない絶妙なとんこつラーメンだった。

 「ここではネギが5日間もつように加工しています」

 ラーメンをすすりながら、幹部はそう話してくれた。やっぱり、どうしても工場の現場を見たい。最後にもう一度、お願いしてみた。

 「私はラーメン専門家ではないので、細かいことはどうでもいいんです。どんな現場なのか、イメージを掴みたいだけなんで、ちょっと見せてもらえませんか」

 「いや、すいませんが、それだけは勘弁してください…」

コメント7

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「「行列のラーメン」を生み出すミステリアス工場」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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