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ゲームの壁、クラウドの壁

ゲーム心理を持ち込むネットの生存競争

  • 斉藤 由多加

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2011年2月10日(木)

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 ゲーム産業が培ってきたノウハウというのがあります。これまでこのノウハウは、他の業界で注目されることはあまりありませんでした。しかし昨今のネット世界では、この「ゲーム的」な誘導や設計への需要が熱いようです。

 そこに求められているのは技術的なものではなく、「興味を絶やさないための心理的なノウハウ」、もっと極論すると「リピートさせる(=中毒症状にさせる)ノウハウ」のようです。ネット業界の人々はあまり気付いていないようですが、その少し外にあるゲーム業界側にいるとそれがよく見える…今日はそういう話をします。

「ゲームの壁」…ルールを学習してもらうのが最初のハードル

 学校で教えている「学問」。この「学問」にはいくつもの教科がありますが、どの学問も、「修得すると実生活で何が得か?」という利得を学校は教えてくれません。得なことは知らされず、ただ当たり前のように強制的に教科書を開かされ、そして有無を言わせず授業が開始される…これが学校の教える「学問」です。そこにあるのは学校制度という名の強制力です。産業界の者からしてみれば当たり前ですが、これでは忌み嫌われても当然です。

 しかしゲームはそうはいかない。最初の数分間で「難しそうだ」と思われたらそのまま放置されてしまうからです。

 つまらなそうだ、と思われたら避けられてしまうのはどんなエンターテイメントでもサービスでもまったく同じですが、たった一点だけゲームは異なっています。ユーザーが能動的でないといっさい進行しないのです。「何かをクリアしないと先に進まない」という点で、そこに求められるモチベーションは他のエンターテイメントよりハードルがはるかに高いのが特徴です。これが「ゲームの壁」です。

 ゲーム業界が持っているノウハウ、それは、この壁を突破してもらうためのノウハウです。モチベーションを喚起する心理学的な誘導です。まずはルールを覚えてもらい、そのルールに則って試行錯誤してもらう。それが正しい方向であれば「褒めてあげ」ないとならないし、逆に、間違った方向に進んでしまっているときは、ペナルティでそれを教えてあげないとならない。ただしその方法が理不尽だと、ユーザーは「意味が分からん」といって離れていってしまう…

 だから、ゲームでは「スコア」や、「ペナルティ」や、「インセンティブ(褒美)」がとても重要です。それが不明確なゲームにユーザーは参加しない。そしてなによりも、ルールがシンプルでないと、人は参加しない。それを学ぶことに費やされる「時間」という負担が、「ゲームの壁」だからです。

サービスが複雑化するたびに直面する「ラーニングコスト」

 何を始めるにしても、最初に乗り越えなければならない障害がこのラーニングコストです。商品を楽しむ前にまず、修得してもらわないと何も始まらない、というハードルは、アキレスのかかとです。

 これを乗り越えさせるためにゲーム制作者たちは知恵をしぼる。よく知られたキャラクターをゲームに使用するのも、名の売れた作品の続編の形で新作を作るのもすべてはユーザーにかかるこの手間(ラーニングコスト)の削減を目的としているのです。

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