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チュニジアもエジプトも「革命」ではない!

「G20後」食料価格の高騰監視は奏功するか

2011年2月22日(火)

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 「G20」が日本時間の19日未明から2日間、パリで開かれました。食料や原油など原材料価格の高騰の予防、監視体制が議論され、不均衡是正を旗印とする共同声明を出して終わった形になっています。

 が、その実どうなのでしょう? 昨年来のこうした一次産品の価格上昇が、金融危機後米国が採った規制緩和の影響による投機的資金の流入と言われます。新興国や途上国に流入したマネーはインフレを引き起こし、食料価格の高騰はエンゲル係数の高い低所得層の生活を直撃する。

 それが何を引き起こしたか・・・言わずと知れた12月から1月にかけてのチュニジア動乱であり、まさかと思われたエジプトの政変、そして現在進行形で動いている中東や北アフリカのキナ臭い状況にほかなりません。

 サルコジ大統領が1月末「食料価格の高騰に監視を!」と、とりわけ声高に叫ばねばならなかった背景には、「チュニジア後」のアルジェリアなどへの波及が念頭にあったでしょう。そして実際に動乱のうねりはエジプトで政変を引き起こし、アルジェリア、リビア、バーレーンと、事情はさまざまですが、おのおの矛盾を抱える各地で、不安定な状況を作り出しています。

 そしてその不安定状況そのものがマーケットを冷やし、あるいは原油価格に跳ね返ってくる・・・困った状況ですが、いま考えたいのは3歩下がった視点からの「おさらい」です。

「ジャスミン革命」ではない!

 1月14日、軍に反旗を翻され、もはやこれまでと思ったチュニジアのベン=アリー前大統領は、亡命先として旧宗主国のフランスを希望しますが、ホットラインでつながったサルコジ大統領はこれを拒否、詳しい経緯はわかりませんが、ベン=アリー氏はサウジアラビアに亡命します。

 フランスは、民衆からノーを突きつけられた大統領を、いわば切ったわけです。ベン=アリー氏は冷戦末期の1987年、無血クーデターで政権を奪取してから、いわゆる「ソフト・イスラム」の優等生として、欧州各国とりわけ旧宗主国であるフランスの良き友人であり続けました。しかし政治の判断は厳しいものです。フランスはベン=アリー氏の命運ではなく自国の、いや欧州連合(EU)全体の、と言った方が良いでしょう、国益・メリットを優先しました。

 さらに追い打ちをかけるように、フランス系の報道機関はベン=アリー氏の親族が金塊を持ち出そうとしたなど、いくつかの報道を流します。結果的には間違いだったものもあったようで、このあたりにフランスとしての「情宣対策」の戦略がよく見えます。既に崩れ去ったものには用はない。むしろ石もて追ってでも、「次」を担うパワーとともに「チュニジアとフランスの良好な関係」を確保することに、分かりやすい舵取りをしたのだと思います。

 この1月14日のベン=アリーの脱出劇を含む政変が、直後から「ジャスミン革命」などと呼ばれていますが、あまりに早すぎるネーミングに、やや胡散臭いものを感じました。まだ次の政権首班も決まっていない、というより本当に民主的な選挙が実施されるかのも分からない。矢継ぎ早に暫定大統領に就任したモハメッド・ガンヌーシ元首相、フアド・メバザ元下院議長とも、ベン=アリー体制での長年の重鎮です。この政変がチュニジア史にとって本当に「民主革命」になるか、ならないかは、これから先に決まること。つまり現時点での「ジャスミン革命」というネーミングは、きわめて広告代理店的なキャッチフレーズだと言わねばなりません。

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