• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ユニ・チャーム
反復練習で自律的な社員を育てる

第2回:訓練で組織と個人を鍛える

2011年2月23日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

カリスマ創業者だった父の後を継ぎ、
業績が陰り始めていたユニ・チャームを再生した高原豪久社長。
世界的な景気後退を乗り越え、過去最高益を更新しているその原動力は、自律的な社員からなる強い組織だ。では、どのようにそうした社員を育ててきたのか、自らが熱く語った。
(構成: 中野目純一)

 2年半ほど前から、当社の経営のあり方として「共振の経営」を打ち出しています。

 その意味するところは、社員一人ひとりが「主体的に考えて行動する」経営です。根底には、現場の知恵を経営に生かしていくという発想があります。知恵が振り子のように、経営者と現場の間を行ったり来たりする。こうしたイメージから、「共振」という言葉を選びました。

ユニ・チャームの高原豪久社長
1961年生まれ。86年成城大学経済学部卒業、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。91年、父である高原慶一朗氏が創業したユニ・チャームに入社。94年台湾・嬌聯工業副董事長。95年取締役。97年常務。2001年6月から現職(写真:陶山 勉)

 現場から知恵が生まれるようになるには、個々の社員が自ら考えて行動できるようになることが求められます。しかし放任によって自主性が身につくことはない。社員が自ら考えて行動するためには、指標や基準となるものが必要です。

 まずは、会社が目指す目標を明確に示し、それに基づいて社員たちが自ら目指すべき目標や取るべき行動を考えられるようにすることです。

 掲げる目標はシンプルで分かりやすいものがいい。例えば2011年4月から2013年度までの中期経営計画「ブルースカイ計画」では、10年後の2020年までに世界シェア20%を達成する基本戦略を打ち出しました。

 計画の名称である「ブルースカイ」には、青雲の志を持って、真っ青な空に広がる大きな入道雲のように我々も成長していくことを目指そうという意味を込めています。司馬遼太郎さんの小説『坂の上の雲』のテレビドラマがヒットしたことから思いついた名前です。これなら、意味をいちいち説明しなくても、日本だけでなく海外の社員もその名称を聞いただけで目指すところをイメージできるでしょう。

主体的に取り組む社員を育てる「共振の経営」

 実は共振の経営という名称も、当社の経営のあり方を分かりやすく表現するために考え出したものです。

 主体的に考えて行動する社員を育む共振の経営には、そうした社員を育成するための仕組みとして、2つの取り組みがあります。1つは、トヨタ自動車から学んだトヨタ生産方式をユニ・チャーム流にアレンジしたカイゼン活動の「UTMSS(ユニ・チャーム・トータル・マネジメント・ストラテジック・システム)」。もう1つは、「SAPS」と呼ばれる仕組みです。

 SAPSは、「スケジュール(計画)」「アクション(行動)」「パフォーマンス(振り返り)」「スケジュール(再計画)」の頭文字を並べたもの。具体的には、一人ひとりの社員が毎週、その週の行動計画を作る。そして計画を実施した後、結果を振り返って問題点を抽出し、改善策を盛り込んだ次の行動計画を再び作成して実行する。

 多くの会社が取り組んでいるPDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)サイクルを週単位で回しているだけで、ほかに特徴はありません。このSAPSとUTMSSの2つの仕組みを通して、主体的に考えて行動できる社員を育成していく経営を、従来は「SAPS経営」と総称してきました。

 ところが、SAPSはどうしてもPDCAサイクルを週単位で回す経営管理手法としての印象が強く、自ら考えて行動できる社員を育てるという本来の目的をイメージしにくいといった問題がありました。

 SAPSの仕組みを社内に浸透させるため、そうした問題点には目をつぶってきたのですが、2年半前にはかなり定着してきていた。そこでSAPS経営の方をもっと分かりやすい名称に変更しようと考えたのです。社員との飲み会で反応を見たりして最終的に選んだのが、共振の経営という名称でした。

コメント3件コメント/レビュー

経営者本人が書いたコラムに、ネガティブなコメントをすると、100%採用されないのは分かっていますが、経営者は業績さえ上向きになれば、どんなやり方をしていても「自分は正しい」と主張できるのです。そういう意味で、経営者がモノを書くのは、ある意味、卑怯です。第三者が経営分析や伝記を書くなら別ですが。(2011/02/23)

「ビジョナリー経営が組織と社員を変える」のバックナンバー

一覧

「ユニ・チャーム
反復練習で自律的な社員を育てる」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

経営者本人が書いたコラムに、ネガティブなコメントをすると、100%採用されないのは分かっていますが、経営者は業績さえ上向きになれば、どんなやり方をしていても「自分は正しい」と主張できるのです。そういう意味で、経営者がモノを書くのは、ある意味、卑怯です。第三者が経営分析や伝記を書くなら別ですが。(2011/02/23)

「明確で分かりやすい目標やメッセージを示すことの重要性」を認識され、確かに実行していることが従業員に確実に伝わっていくから組織が変わっていくのだととても共感できました。従業員平均年齢30代、経営者65歳超えの当社では経営者の時代錯誤の気合と根性の経営方針・ビジョンを作ったものの従業員側では内容を理解できずにいます。作ったことで満足してしまい、いまだに目標・目的がわからないため自分から考えることを避けていないと、なぜ?と意見を言うことで周りに迷惑をかけるので生きていけません。(2011/02/23)

流石ですね。トヨタ方式を、業種が違うのにそのまま鵜呑みにして失敗する例を何度も見てきましたが、やはりトップマネジメントの考え方、「本気」が企業組織を変えてゆくことが出来るし、業績にも反映してくる。あたりまえといえば当たり前ですが、世の中でそのように出来るトップは多くないと思います。ウチのトップに爪の垢を煎じて飲ませたい。文中「反復練習」の表現がありますが、それは、「反復練習」ではなく「ほふく前進」(古い表現ですが)と言い換えた方が適切に意味が通じると思いました。(僅かでも絶えず前進させると言う意味で)(2011/02/23)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長