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第19話「ルールに基づいていれば免責される。ルール主義では経営者は考えようとしない」

2011年2月23日(水)

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前回までのあらすじ

 MTCの東京本社には沢口萌が入社した。萌はMTCラボに赴任し、原価計算のシステムを作るよう達也に指示され、達也と細谷真理に管理会計の特訓を受けていた。

 達也は萌に管理会計の本質を考えるために必要な3つの課題を出した。萌は徹夜して考えた結果をレポートにまとめて達也に提出したが、達也は萌に落第を言い渡した。

 萌はなぜ達也が自分の考えに落第点をつけたのかが分からず、真理に電話を掛けた。真理は自分なりに考えた管理会計の基本を、萌に伝授した。萌はあとは実際にシンガポールのMTCラボに赴任してから、実地で身に付けようと考えていた。

 MTCラボの金子順平は萌の赴任を待っていた。金子がいる工場ではK01の生産に追われていた。電気自動車の電池の性能を飛躍的に上げるこの製品には、各国のメーカーから注文が殺到していた。

飯田橋のMTC本社

 シンガポールに出発する前日、達也は萌を呼びこんなことを告げた。

 「きみには管理会計をしっかりやってもらいたいと思っている。だからといって、IFRSを考えなくていいというのではない。いつも頭の隅に置いておいてほしいんだ」

 萌にとって、IFRSは新聞で見た程度で、それがどんなものか分かっていない。今までの会計とは違うらしい、と解説書には書かれている。では何が違うかというと、商品を顧客に向けて出荷した時に売上計上する「出荷基準」は認められないとか、減価償却方法として定率法はダメだとか、これまで当たり前であった基準が使えなくなる、という話題だけが耳に飛び込んでくる。

 今までの常識が通用しなくなるとしたら大変だわ、と萌は思っていた。

 「出荷基準がダメで、定率法がダメって変ですよね」
 と萌が聞いた、すると達也は「さてどうかな」と言って真理を見た。

 「従来の会計は、出荷基準も、到着基準も、検証基準も認めている。そしてどの基準であっても、それを継続的に適用すれば恣意性が排除されるから、それでいい、と考えている。しかしよく考えてみれば、これはおかしなことだと思わないか」

 (確かにそうだわ)

 萌はそう思った。会社の実態を表現するために会計基準を適用するのだ。なのに、認められた方法であれば、何でもいいというのはどこか変な気がする。

「熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2」のバックナンバー

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「第19話「ルールに基づいていれば免責される。ルール主義では経営者は考えようとしない」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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