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「知らないこと」が思考回路を起動する

外向き思考で可能性を広げる「イグノランスマネジメント」

2011年2月28日(月)

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 この連載も最後になりました。今回は、そもそも新しい発想を生み出すために必要な基本的な思考回路の転換について解説したいと思います。そのためのキーワードが「イグノランス(無知または未知)」という言葉です。

 前々回の「アナロジー思考」にしろ、前回の「抽象化+フレームワーク思考」にしろ、新しい発想をするためにはまず思考回路を「外向き」に変える必要があります。外向きとは「既に知っていること」に目を向けるのではなく、「知らないこと」に着目することを意味します。

 ある程度やるべき方向性が見えている安定成長期には「知っていること」をいかに速く実行できるかが成功の鍵でしたが、先が見えない現代では、知っていること(=過去)からの発想だけでは不十分だといえるでしょう。

 そのために必要なのが「イグノランスマネジメント」です。

 ビジネス現場でよくある場面として、「新しいアイデアはないの?」と上司から聞かれた部下が「本当に斬新な」アイデアを持っていくと、「時期尚早だ」とか「前例はあるのか」などと言われてしまい、せっかくの提案が葬り去られてしまうということがあります。

 ミドルマネジャーの皆さんは、上司として部下に対してこういう態度をとってしまったことはないでしょうか。あるいは逆に皆さんが部下の立場としてこういう態度を受けて苦い思いをしたことはないでしょうか。今回はこうしたことがどういう思考回路で起きるのかを明らかにしたいと思います。

「知」を3つの輪で整理する

 90年代から企業に浸透してきたビジネスの手法に「ナレッジマネジメント」があります。よくある「狭義のナレッジマネジメント」の実践の姿としては、過去の製品の企画・設計・開発や営業のノウハウなど、ベテランの技術者や営業マンが頭の中に持っている、いわゆる「暗黙知」をドキュメントやデータベースという形で「形式知」化するために情報システムやプロセス、あるいはそのための組織を構築・整備して再利用する仕組みを作るというものでした。

 もちろんこれはこれで一定の成果を上げてきたわけですが、ここで管理・活用しているのはしょせん過去の経験や知識でしかありません。新しいアイデアを生み出すためにも過去のナレッジは必須のものですが、あまりにナレッジを可視化や共有し流用することだけに注力してしまうと(これだけでも大変な労力を要するわけですが)既存の知見の枠を出ることができません。

 ここで私たちの周りの「知」というものを「3つの輪」という形で整理しておきます。図1を見てください。

 まず一番内側の輪は、私たちが「知っていることを知っている」領域、つまり一般的に知識とかナレッジとかといわれている領域です。次の2番目の輪は、「知らないことを認識している」領域で、「狭義のイグノランス」と言えます。考え方のフレームワークとしては認識の範囲に入っているが、実際にそこの知識は十分ではないと自覚している領域です。

 ここまでは誰でも意識しているわけですが、問題はさらにその外側です。この「3番目の輪」の領域というのが、「自分で知らないということすら知らない」という領域です(実際には、3番目の領域は無限に広がっており、外側というのは存在しませんので、点線で表現しています)。

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