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「北方領土」でもあり「オキナワ」でもあるバーレーン

巨大な米軍基地があり、「飛び地」であった歴史

  • 伊東 乾

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[1/3ページ]

2011年3月2日(水)

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 チュニジア、エジプトと飛び火した中東の騒乱が東へ西へと飛び火して、2011年は大変な年として歴史に刻まれるのがほぼ確実となってきました。

 報道では「市民に空爆」「傭兵が病院まで襲撃」とリビア情勢が大きく取り上げられますが、私が注目せざるを得ないのはバーレーン情勢です。リビアの石油に大きく依存している国、例えばフランスなどには、カダフィ体制の今後といった問題は遥かにシビアでしょう。カダフィ氏の今後は神のみぞ知るですが、ちなみに1月にチュニジアから亡命したベン=アリー前大統領、2月に政権から降りたばかりのムバラク前大統領と、そろって2人とも「急病により意識不明の重態」というのは、なんというか、権力闘争の暗黒面を見せつけられる思いを持たざる得ません。

 閑話休題、私たち日本の観点からは、リビアと比較にならぬほど、バーレーンの状況はデリケートです。この問題を考えてみましょう

「オキナワ」としてのバーレーン

 突然ですが、バーレーンには「オキナワ」としての側面があります。バーレーンはペルシャ湾に浮かぶ島国ですが、サウジアラビアと橋でつながっており、週末には多くの観光客が近隣諸国からバーレーン島を訪れます。

 分かりやすい話、バーレーンではアルコールを飲むことが出来ます。近隣のイスラム諸国からバーレーンを訪れる人々の第1の目的の1つは「飲酒」。ソフトぶりがうかがえると思います。

 この「バーレーン」、国は中心的な「バーレーン島」とまわりの30ほどの小島から成っていますが、中心の「バーレーン島」は南の4分の1ほどが、実は米軍基地になっているのです。

 実はバーレーンは米国第5艦隊司令部が置かれている、アメリカ中東戦略最大の軍事拠点にほかなりません。その意味でバーレーンは「オキナワ」とよく似た・・・いや、むしろ東アジアにおける沖縄より遥かに重要な軍事的な意味あいをもつ「島」なのです。バーレーンに米軍基地があるのではない。バーレーン島自体が1つの巨大な米軍基地になっている、そう思ったほうが実情に近いということが出来ます。

シーア派と「ウチナンチュー」

 残念ながら、バーレーン国内で米兵の暴力事件など、沖縄で問題になるような事態が発生しているのかどうかは、私は知りません。基地の町で起こるような普通の問題、あるいは飛行機の離着陸に関連する騒音その他の公害、住民の安全問題などは、一般的なレベルで存在するのではないかと想像しています。

 それ以上に明確なのは、バーレーンという国の支配階層と住民との「分離」です。むしろこここそ、沖縄に近いものを感じます。

 沖縄では地元の人々を「ウチナンチュー」と呼んで、本州や九州などから来る人々とは違う格別の親愛の情を仲間と共有すると聞きます。東京から首相やら政府高官やらがやって来て、冷たく官僚的に話すのと、地元出身の知事や市長が地元の「島」を代表して話すとのでは、声の温度からしてまったく違います。

 実はバーレーンにもそれと似て非なる「温度差」があります。

コメント16件コメント/レビュー

バハレーンでシーア派住民が差別を受けてきたことは事実です。バハレーンの原油輸出収入はそんなに多くありません。シーア派住民には驚くほど貧しい人がいます。しかし「シーア派はペルシャ」とは決め付けられません。シーア派はイラクでも多数派です。クウェート、サウジ東部地域にも在住してます。またレバノンでも人口の3割がシーア派ムスリムです。「スンニ派対シーア派」の対立軸を用いると、両者の多様性を無視したまま(スンニが全部ワハビストではないわけで)、もっともらしい政治言説の中に取り入れられてしまいます。もっとも、沖縄とバハレーンが比較の対象となりえない理由は、バハレーンでの外国人労働者の存在です。人口約100万人のうち50万人強(過半数)が外国人労働者です。ここ数年でバハレーンの人口は3倍になりましたが、その理由は外国人労働者の流入です。「住民の多数はシーア派」とはいえないわけです。バハレーン中銀のEconomic Indicatorsという刊行物に各データの詳細が出てます。ネット上で読めます。(2011/03/08)

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バハレーンでシーア派住民が差別を受けてきたことは事実です。バハレーンの原油輸出収入はそんなに多くありません。シーア派住民には驚くほど貧しい人がいます。しかし「シーア派はペルシャ」とは決め付けられません。シーア派はイラクでも多数派です。クウェート、サウジ東部地域にも在住してます。またレバノンでも人口の3割がシーア派ムスリムです。「スンニ派対シーア派」の対立軸を用いると、両者の多様性を無視したまま(スンニが全部ワハビストではないわけで)、もっともらしい政治言説の中に取り入れられてしまいます。もっとも、沖縄とバハレーンが比較の対象となりえない理由は、バハレーンでの外国人労働者の存在です。人口約100万人のうち50万人強(過半数)が外国人労働者です。ここ数年でバハレーンの人口は3倍になりましたが、その理由は外国人労働者の流入です。「住民の多数はシーア派」とはいえないわけです。バハレーン中銀のEconomic Indicatorsという刊行物に各データの詳細が出てます。ネット上で読めます。(2011/03/08)

無理があると思いますが。シーア派とスンニ派の関係から考えても。(2011/03/07)

バハレーンと沖縄のアナロジーには確かに無理がある。また、国内にも民衆運動を抱えるイラン政権にとっては、バハレーンのシーア派との関係は微妙だと思う。しかし、最近の中東の民衆蜂起の成功を手放しでは喜べない、という伊東氏に意見には賛成だ。1979年のイラン革命でもあったように、独裁者追放に続くものは違う形の圧政かもしれない。自分として感じることは、「西側先進国」がプロップアップしてきたこれら政権の政治基盤の意外な脆弱さと、そういった政権に依存してきた我々の地政戦略のお粗末さだ。(2011/03/06)

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