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益田ドライビングスクール 「挨拶」と「感謝」の大切さを伝え、日本一の自動車学校に

第5回:15日で若者に理念を伝える

  • 伊藤 暢人

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2011年2月28日(月)

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本州最西端に近い島根県益田市にある益田ドライビングスクールは、市場全体が沈む中、卒業生は一定で、今や日本最大の教習所となっている。独自通貨やトイレ掃除などを通じ、従業員のみならず、受講生にまで理念を浸透させている。

 「おはようございます」

 通りがかりの髪を金色に染めた若者が、大きな声で挨拶をしていく。

 「おはようございます」

 はやりの長い髪を巻き上げた若い女性も、また笑顔で声をかけて通り過ぎる。

 ここは、島根県益田市の山間にある合宿で運転免許が取れる益田ドライビングスクール(通称、Mランド益田校、企業名はコガワ計画)だ。少子化などで運転免許を取得する人の数は、日本全体では2000年から約2割減って約158万人(2009年)となった。それに伴い、自動車教習施設も同じ期間に約100校がなくなり、今や1392校(同年)になっている。

 その中で、このところ年間卒業生がほぼ6000人強で安定しているのが、このMランドだ。他校が沈んでいく中、九州や関西、東京、遠くは東北などから受講者を集め、ここ2年は四輪車部門の卒業者数で日本最大の自動車学校になっている。

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 この教習所の理念を一言で表現すれば、「感謝」と、それを伝える「挨拶」の徹底と言ってもいい。それを社員だけでなく、受講者にまで浸透するために様々な工夫をしている。

 まず、受講者向けの設備を充実させている。宿泊施設はもちろんのこと、食堂、コンビニ、カフェまである。ネイルサロンやゴルフの打ちっぱなし、占いコーナー、岩盤浴から空中に浮かんだ茶室まで、まさに至れり尽くせりだ。

独自の地方通貨「Mマネー」で受講生の殻破る

 さらに、ユニークなのは、独自の通貨も発行していることだ。この教習所は宿泊費や教習代、食費などは前払いなので、現地では日々の小遣い程度しかいらない。ところが、ここでは普通の「円」は基本的に使うことができず、独自の通貨「Mマネー」が流通している。受講生は1ダラー=100円で両替して使うことになる。ネイルサロンやゴルフの打ちっぱなしも、このMマネーがなければ楽しめない仕組みだ。

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 そこで、Mランドではこの通貨を稼ぐ方法を用意している。これが受講者への理念浸透のカギとなっている。というのは、教習所側が用意しているボランティア活動などに参加すれば、その謝礼として受け取ることができるからだ。場内の掃除や、新規入校者の荷物運び、洗車など、様々な仕事が用意されている。その他にも、誰かにお礼を言う代わりに出す「サンキューレター」や、インストラクターの教え方などを評価する「感性カード」を出すと、1ダラーずつもらうことができる。

 手っ取り早く稼げるのは、早朝のトイレ掃除だ。初回は12ダラー(1200円に相当)が支払われる。2回目でも7ダラーだ。夏場は朝6時に集まり、スポンジなどを素手で持って便器から、床、天井までを掃除する。それでも、このボランティアは大人気で、募集するとすぐに20人の定員が毎日埋まってしまう。

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