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2つの出会いで改めて感じた仕事との「素敵な」関係

若い人たちに仕事の意味や喜びを伝えよう

2011年3月4日(金)

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 直接、お目にかかって感じたこと。あるいは、本を読んで、その著者について感じたこと。きっかけは異なるのだが、最近、立て続けに、「この人たちの“ご自身と仕事との関係”は素敵だな」と思える例に出会った。

 最初は、サントリーのウイスキー・ブレンダーの方。

 ある会議が山梨県の小淵沢であり、その関係で近隣のサントリー白州工場での夕食会が設けられた。会社側のご厚意で、夕食会の途中、希望者にチーフ・ブレンダーから直接ウイスキーの造り方、味わい方をうかがう機会を頂いたのだが、そこでのやり取りが印象的だったのだ。

ウイスキー・ブレンダーに感じた「潔さ」

 蒸留ポットの形状を変えることで少しずつ性格の異なる原酒を造っている、とか、樽をどういう木で作るとどのような味の違いが出てくるか、といった興味深いお話をうかがった後、参加者の1人が「(工場は結構不便な場所にあると思うのだが)通勤は車ではないのですか」という質問をした。

 冗談交じりに、ちょっと意地悪にもなりかねない質問だったのだが、答えは、「ブレンダーになった時に、車はすっぱりやめました。工場の隣に住んでいます。仕事柄、いつテイスティングしなければならないか分からないので」というものだった。

 文字にしてしまうと、なかなか伝えにくいのだが、そのきっぱりとした答えぶりに、一同感心した。この仕事に就くからには、その障害になるものはあきらめる、という「潔さ」。そして、そのベースにある「ブレンダーという仕事に対する誇りと敬意」が、ひしひしと伝わってきた。

 さまざまな分野の優れた職人の方に共通して感じられることだが、「仕事をきちんとこなすために必要なことは、自分にとっての便利さや安楽さをすぱっとあきらめてでも、実行する」という姿勢が、何とも言えず素敵で、参加者の一部から「格好いい」という、ため息とも独り言とも取れない声が漏れたほどだ。

空間デザイナーの原動力となった偏執的なまでの思い入れ

 次は、「東京妙案開発研究所-『人がにぎわう空間』を創る発想力の秘密」という本の著者である相羽高徳さん。

 この本を読んで、先ほどの例とは全く違った意味で、「素敵だ」と強く思った。この方については、これまで存じ上げず、当然お目にかかったこともないのだけれど、ご自分の好きなことに徹底的にこだわり、それを仕事にして、さらに「好き(あるいは、数奇)」を追求していく姿勢に圧倒された。

 新横浜にあるラーメン博物館。東京・赤坂、京都、ニューヨークにある、その名も「NINJA」という忍者が出てくるレストラン。関越自動車道の「寄居―星の王子さまPA」というサンテグジュペリの「星の王子さま」を題材にしたパーキングエリア──。

 こういった「空間デザイン」が本業とのことだが、それ以外にも、中学校の入試問題を題材にした日能研の車内広告(「シカクい、アタマを、マルくする」というコピーがついたもの)や、東京・原宿を中心に全国展開している「ピンクラテ」という女子中高生向けのファッションブランドの企画、そして余技としての迷路作家業など、ずいぶんと幅広い範囲でクリエイティブ活動に携わっておられる。

コメント4件コメント/レビュー

働くことに喜びを見出すことは実にすばらしい。人として生まれた以上そうありたい。しかし努力だけでは到底その域にたどり着けない。ほとんどの人が努力に次ぐ努力を重ねてもそこには行くことができない。日々の小さなことに。自分でなくても誰でもできることに。そのような些細なことに働く喜びを見出す事が市井の人に生きていく勇気を与える。そのあたりに目を向けてほしい。日経ビジネスにイチロー物語はいらない。(2011/03/04)

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「2つの出会いで改めて感じた仕事との「素敵な」関係」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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働くことに喜びを見出すことは実にすばらしい。人として生まれた以上そうありたい。しかし努力だけでは到底その域にたどり着けない。ほとんどの人が努力に次ぐ努力を重ねてもそこには行くことができない。日々の小さなことに。自分でなくても誰でもできることに。そのような些細なことに働く喜びを見出す事が市井の人に生きていく勇気を与える。そのあたりに目を向けてほしい。日経ビジネスにイチロー物語はいらない。(2011/03/04)

私も定年を控え、若手の人たちに技術の意義を教える立場になりました。若者に・「寄り添う」事と私からのメッセージとして・「胸を張って給料がもらえるように努力する」事の大切さを伝えていきます。(2011/03/04)

「働く喜び」などというのは、フィクションでありファンタジーだ。非実在エモーションである。それは、昔からだ。ごく一部の幸運な人がそのような夢を騙り、人々に希望を持たせた上で、結局絶望を味わわせる。ならば、最初からそのようなことをすべきではないではないか?(2011/03/04)

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三品 和広 神戸大学教授