• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

譲歩を引き出すには、まず「譲歩」

ドア・イン・ザ・フェイス――「思わず同意」させてしまうテクニック

2011年3月3日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 皆さん、こんにちは。営業コンサルタントの横山信弘です。本コラムのテーマは「営業会議」です。これまで3回にわたって、以下のような技術を紹介してきました。

 さて第4回目は、上司が部下に対して「ハードクロージング」するときに使うコミュニケーション技術をご紹介いたします。分かりやすく言うと、部下にこちらの要求を「丸呑み」してもらうためのリーディングテクニックです。

 前回の「オープンエンドクエスチョン」は、部下自身に考えてもらう習慣を身につけさせる技術でした。今回は、逆に「部下に考えてもらう余裕はない。文句を言わずにやってもらう以外に選択肢はない」という時に使う技術です。

相手との信頼関係がなければ逆効果

 ハードなクロージングですから、相手との信頼関係ができていない時にやれば逆効果です。当然のことながら多用してはなりません。

 ですから、第2回目に紹介した「イエスセット」「バックトラッキング」などを日ごろから活用して相手とのペーシングを心がけておいてくださいね。

 今回も、まず「悪い営業会議」の事例をストーリー形式で紹介いたします。上司が「ごり押し調」でこちら側の要求を呑んでもらおうとすればどのように抵抗されるか、これを見てみます。

 その後、「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」を使った「良い営業会議」について解説いたします。

*  *  *  *  *  *  *

●悪い営業会議の事例(A社の場合)●

 
【10時14分】
 
飛騨部長 「悪い悪い。部長会議が長引いて遅れてしまって……。えっと、近江は30分ぐらい遅れてくるって言ってたから、もう始めようか。それじゃあ神戸、神戸の進捗具合から報告してもらおうか」
神戸主任 「進捗確認用の資料、ないですが、どうしましょう」
飛騨部長 「どうしてないんだ! 松坂、印刷してきてくれ」
松坂 「はい」
飛騨部長 「おい。おいって! 松坂、どれを印刷してくるのか分かってんのか」
松坂 「あ、いえ……」
飛騨部長 「分からないのに、どうやって印刷するんだ。共有ファイルのGフォルダに入っている進捗確認シートが最新版になってる。それを印刷してきてくれ」
松坂 「……」
飛騨部長 「なんだ?」
松坂 「いえ、何でもありません」

不満そうな表情で松坂が会議室を出ていく。

飛騨部長 「あいつ、本当にやる気ないな。どうなってんだ」
前沢課長 「印刷してこいと言ってから、何を印刷するか知ってるか?、なんて意地悪な聞き方をしたからだろう」
飛騨部長 「前沢さん、だいたいですね。会議がはじまる前に準備しておくものですよ、松坂が一番下っぱなんですから」
神戸主任 「あいつ、社長に辞表出したってホントですか」
飛騨部長 「そんなの嘘に決まってるだろ。もし本当だとしても俺には止められん。勝手にするがいいさ」

「いつも進捗確認で1時間以上かけてるけど」

【10時29分】
 
飛騨部長 「……それじゃあ、資料は行き渡ったか。じゃあ、神戸から確認させてくれ。TTT工務店の商談から報告してほしい。これって今どうなってるの」
神戸主任 「はい。苦しいです。非常に難しい状況で――」
 
【11時21分】
 
飛騨部長 「……KKK水産に出した見積もりに対する反応は?」
神戸主任 「よくないです。競合がないにもかかわらず、難色を示しておりまして」
飛騨部長 「どうして競合がないのに難色を示してるんだ」
神戸主任 「すみません。どんなに問い合わせても教えてくれないんですよ。経営陣の気が変わったのかもしれません。最初は乗り気だったのですが」
飛騨部長 「ここは磐石だと思ってたよ。もしコイツが落ちたら厳しいってもんじゃない」
神戸主任 「ええ。何としてもKKK社からは1本もらわないと……」

そこへ近江が会議室へ入ってくる。

近江 「申し訳ありません! 遅れてしまって」
飛騨部長 「おう。まだ神戸からしか報告聞いてないから大丈夫だ。座れ」
近江 「はい。ありがとうございます」
神戸主任 「遅れるのは30分じゃなかったのか?」
近江 「すみません。いろいろと手間がかかってしまって」
松坂 「……」
飛騨部長 「いいじゃないか。そんなにカリカリしなくても。それじゃあ、次は近江の進捗を確認させてもらおうか」
近江 「あ、はい」
 
前沢課長 「ちょっと待ってくれよ。もう11時半だぞ。いつも進捗確認で1時間以上かけてるけど、どうにかならないのか。しかも毎回、神戸と近江の確認で終わってる。私や松坂の進捗は確認されたことがない」
飛騨部長 「何か、確認してもらいたいことでもあるんですか」
前沢課長 「そういうことじゃないだろう」
飛騨部長 「そういうことじゃなかったら何ですか」
前沢課長 「ちっ! もういい」
飛騨部長 「もういいんだったら言わないでください。私はまた部長会議で朝から叩かれたものですから疲れてるんです。あんまり私を苛立たせるようなこと言わないでくださいよ」
前沢課長 「なんて言い草だ」

コメント7件コメント/レビュー

これは中国人相手にやってはいけない方法のようですね。最近、中国人とはどう言う考え方をする人達なのかを調べていますが。まず3歩前へ出て反応を見る、こちらへ出てこなければ更に前へ出て行く。相手が反応して来たら話をして中間地点を決める。何も言わなければドンドン前に出来てきます。(2011/03/13)

「良い営業会議、悪い営業会議」のバックナンバー

一覧

「譲歩を引き出すには、まず「譲歩」」の著者

横山 信弘

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

経営コンサルタント

CSK、日立製作所を経て、現在アタックスの主席コンサルタント。営業目標予算の2倍の材料を仕込む、組織マネジメント「予材管理」が注目され、コンサルティングのみならず、セミナー講師としても人気を博す。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

これは中国人相手にやってはいけない方法のようですね。最近、中国人とはどう言う考え方をする人達なのかを調べていますが。まず3歩前へ出て反応を見る、こちらへ出てこなければ更に前へ出て行く。相手が反応して来たら話をして中間地点を決める。何も言わなければドンドン前に出来てきます。(2011/03/13)

ドアインザフェイステクニックについて意識的に使った事は無かったですが、今思い起こせば綺麗に決まった事があります。その時は、短期で仕掛けた大口の商談が延伸してしまい、やむなく手を引いたのですが、丁度同タイミングで、特化商材を提案したところ、その場で即決になった事があります。売上げは4分の1程度になりましたが、大口の方は先方が若干引き気味だった事もあり今思えば、ドアインザフェイステクニックだったと感じました。(2011/03/04)

横山先生のセミナー、追加開催されるんですね。先日のセミナーでもの凄く元気をもらったので知人にも紹介します。このコラムも次回で終わってしまうかと思うと寂しい。コラムの方も是非続編をー!(2011/03/04)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長