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「パッケージ型インフラ海外展開」にみる日本型プロジェクトの課題

第9ステップ:グランドデザインを海図として個別のプロジェクトに着手する

  • 今北 純一

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2011年3月8日(火)

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 この連載の第7回でもお話しした通り、一般的に日本企業は、個々の技術の開発や性能のいい商品を作ることには強いものの、技術や商品を組み合わせて、これまでになかった価値をソリューションとして提供することを中核にした「持続的に収益を上げるビジネスモデル」を設計することはあまり得意ではありません。しかし、従来のやり方の延長線上で技術や商品の“単品カタログ販売”のようなことを続けていては、グローバルビジネスはもはや立ち行かなくなってきたということは、多くの企業が実感し始めています。

 2010年6月、日本政府は21世紀の日本の復活に向けた「新成長戦略」を閣議決定し、21の政策を、今後優先的に取り組む「国家戦略プロジェクト」と位置づけました。そのうちの1つに、「パッケージ型インフラ(社会基盤)海外展開」が据えられています。これにより、ようやく政府は、原子力発電や、鉄道、水、スマートグリッド・スマートシティ、再生エネルギーといったインフラビジネスの海外展開についての日本企業の支援体制を整えつつあります。

 商品や技術の競争力だけでなく、建設、運営・管理、メンテナンス、ファイナンス、リスクマネジメントなど、多様な要素を総合的にマネジメントすることが要求されるパッケージ型インフラビジネスは、プロジェクトマネジメントの究極の形だと言えますが、その際にも、冒頭で述べた課題が浮き彫りになってきます。

 パッケージ型インフラのプロジェクトマネジメントでは、独自のビジネスモデルを構築し、これを事業として実現するための戦略的なロードマップを作成することが必須です。そして、海外展開においては特に、それを実行していく司令塔の役割を果たすグローバルな人材が欠かせません。このグローバル人材の育成は、日本企業にとって喫緊の課題です。

 ところで、日本人は、ピーター・ドラッカー氏に代表される知的洗練度の高い思想レベルの教養を身につけることを好む一方で、経営手法や、プレゼンテーション能力・交渉能力あるいは時間管理術といったテクニカルなノウハウを学んだりすることには努力を惜しみません。ですが、この「思想」と「テクニカルなノウハウ」の間に横たわる「プロジェクトマネジメントの実践」となると、そこに経験と蓄積が欠けているために、現実問題として大きなギャップが生じてしまっているのです。

 特に、「プロジェクトマネジメント」のグローバル対応ということになると、経験と蓄積のなさはより顕著です。

外国人なら誰でもいい経営者になれるのか

 だからといって、外国人をプロジェクトリーダーや経営者に迎えればよいと考えるのは、あまりにも短絡的な図式です。かつて、経営危機に直面していた日産自動車を蘇生させたカルロス・ゴーン氏は、当時の日産が最も必要としていた経営者の資質を備えていたということであり、それがたまたま外国人だったという順番の話です。

 外国人を経営トップにもってきたからうまくいった、その経営者の名前がカルロス・ゴーン氏だったという順番の話ではありません。これは単純明快なことですが、世間では往々にしてこのポイントが誤解される傾向があります。個人の資質、特性を見ずして単に外国人をプロジェクトリーダーや経営者に迎えても、成功するとは限りませんし、そもそも、自社組織の中にプロジェクトリーダーあるいは経営者としての器量を持った日本人はいない、ということを暗示しかねません。これでは、日本人の経営者予備軍のモラルを下げてしまうリスクをはらみます。

 それと、外国語ができさえすればグローバルマネジャーとみなすような考えも短絡的な図式です。第3回で取り上げた英語公用語化にしても同じことで、英語が使えるからといって、その人が個人としての力量でグローバルに通用するかどうかは、また別の問題です。

オールジャパン体制には落とし穴もある
日本勢が不得手な部分はしたたかに外国勢と連携を組む
エコビジネスは削減一辺倒ではなく、新しい価値の創造に向かうべき

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